任天堂に次ぐ時価2位、ネクソンの隠れた実力 中・韓で超ロングヒットを続けるゲーム大手

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「HIT」は世界で1900万ダウンロードを突破。日本市場でも巻き返しを図る(写真:ネクソン)

中国・韓国以外で、どうすれば自社ゲームをヒットさせることができるのか。ネクソンには長期間ゲームの人気を維持できるという強みがある。ならば、あとは面白い新作ゲームをどれだけ出せるかが重要になる。

昨年12月に韓国で行われた国際ゲーム展示会で、ネクソンは史上最大規模となる35タイトルを同時公開し、新作を積極的に投入する姿勢を世界に示した。そして、同じく12月に配信されたアクションRPG「HIT」は世界で1900万ダウンロードを記録するなど、成果は徐々に出始めている。

それだけではない。他社との提携・買収も活発化させている。2016年3月には世界で1900万ダウンロードを誇る歴史ストラテジーゲーム「ドミネーションズ–文明創造」を開発する米ビッグ・ヒュージ・ゲームズを子会社化している。

将来はスマホやほかのゲーム機でも遊べるように

今後、ネクソンの追い風となるのはスマホの機能改善と、家庭用ゲーム機におけるオンライン通信の普及だ。

「スマホとPC、家庭用ゲーム機の性能が近づくことで、ネクソンが得意とする分野のオンラインゲームを遊べるハードウエアが増えていく。将来のゲーム開発において"どのハードウエア向けにゲームを作るか"というのは二次的な問題になるだろう」(マホニー社長)。

韓国発祥の日本企業で社長は米国人と、多様な側面を持つネクソン。中国・韓国におけるロングランPCゲームへの依存を脱し、名実ともにグローバルなゲームメーカーになれるのか。まずは大量に発表した新作ゲームの成否が世界戦略の試金石になりそうだ。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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