復調シャープに、まだまだ続く試練 高橋新社長、4~6月期決算会見で実状語る

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――自己資本比率は6%しかない。資本増強の必要は?目指すべき自己資本比率は?

高橋社長 現在の自己資本比率6%は前期末からほとんど変わらないが、やはり(水準は)低い。一部(公募増資検討などの)報道もあったが、現在いろんな対策を考えている。ただし時期や金額について、会社として具体的に決めているものはない。資本増強にはいろんな方法がある。どういう組み合わせでやるのがベストか、会社として検討している。

携帯電話は商品ではなく通信手段

――携帯電話事業についてうかがいたい。NTTドコモの「ツートップ戦略」(サムスンとソニーの人気スマートフォンを集中的に販促する戦略)は業績に響いたか。

高橋社長 特定のキャリアについて詳しく話はできないが、携帯電話そのものが、海外、国内メーカーとの競争が厳しくなっているのは事実。そのため今回、携帯電話においては通期での見直しを若干入れた。しかし特定のキャリアのためではない。もともとその特定キャリアについて、数字をあまり見込んでいなかった。影響は非常に軽微とみている。

――携帯電話事業の通期計画を下方修正したが、期初と比べ、どのような環境変化があったという認識か。さらなる構造改革や事業方針の転換はあるのか。

高橋社長 競争激化は当然あるが、それ以外にもスマートフォンの浸透率が上がってきた。そのため、かつてほどの爆発的な移行は起こりえない状況というのが、私どもの頭の中でまず認識としてある。そこに競争激化が加わっている。そのために下方修正をした。

携帯電話、スマホというのは、単なる商品ではなく通信手段だと思っている。私たちは「ココロボ連携」などと言っているが、白モノ、テレビ、HEMSなどのあらゆる分野で、LTE、Wi-Fiも含めて、通信は事業の核を占めている。BtoBにおいても、通信技術は欠くべからずものという認識だ。スマホというハードウエアだけでなく、もっと大きな広がりをもっているという捉え方をしている。だから事業としては、すごく将来性があると思っている。

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