世界を不幸にするアメリカの戦争経済  ジョセフ・E・スティグリッツ、リンダ・ビルムズ 著/楡井浩一 訳

世界を不幸にするアメリカの戦争経済  ジョセフ・E・スティグリッツ、リンダ・ビルムズ 著/楡井浩一 訳

米国がイラクに侵攻したのは2003年3月。当初、米国政府は「迅速で費用のかからない戦争」を想定していた。が、現実は第一次、第二次大戦よりも長い5年以上の時が経過。直接的な軍事活動のコストは12年続いたベトナム戦争を超えたとも。それでいて、依然明確な撤退のシナリオさえ描けていない。

本書はそうした長期化するイラク戦争の経済的コストを徹底分析し、戦争の無意味さを浮き彫りにする。その結果、2012年までに撤退を完了する「楽観シナリオ」でも経済コストは3兆ドルに達すると試算。イラク戦争の副作用として、グリーンスパンFRB前議長の超金融緩和政策がサブプライム問題を生んだことや原油高が日本、欧州の経済を悪化させることなども指摘している。

結論としては、イラク戦争の経済的な後遺症は甚大で、即時撤退すべきだとしている。国防総省の会計明確化など提案されている18の改革案も興味深い。

徳間書店 1785円

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