リクルートを卒業したほうがいいですか? 【キャリア相談 Vol.16】

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ただし、現在、営業力で有名なリクルートで営業をしているならば、何かしら名刺代わりの営業実績を持つべきです。今の会社でのヒエラルキーは外に出たら関係ない、社内で偉くなっても仕方ない、と言う人もいらっしゃいますが、筆者はどの職場でもそこでの実績は重要だと思います。

世の中はレファレンス文化なので、質問者の方がおっしゃるような「少数精鋭企業で幹部」になりたいとしても、チームに入れる側は「前職ではエースだったのか?」と調べると思います。プロフェッショナルファームであれば必ずリファレンスを取ります。となると、オフィスの壁に張ってある営業成績優秀者に自分の名前があるかは、どこに行っても重要になってくるものです。少数精鋭チームになればなるほど、営業マインドがチーム全員に求められます。還元すれば企業のやることは顧客の創造以外にはないのですから。

「修行時代」と「収穫期」を意識せよ

質問者の方は、誰よりも早く成長してビジネスで成功したい、一流になりたいという方だと思いますが、焦る気持ちの中で重要なコンセプトは、仕事人生には「修業時代」と「収穫期」が存在するということです。

成功している50代以上のビジネスパーソンの中には、自分の仕事の基礎は30歳過ぎまでにつくったもので、後は余韻みたいなもの、という方もいます。こうした方は30歳過ぎまでに修業をして、あとは収穫期に入ったといえます。また、質問者の方も日々の業務の中で、ある仕事が慣れてきたら、だんだんと勝ちパターンがわかって、次にいくということを繰り返していることでしょう。これは小さな修業と収穫を繰り返していると言えます。

仕事では今が修業時代なのか収穫期なのか意識するべきです。筆者はいまだに修業時代ですが、20代の修行僧時代はひどいものでした。水曜日くらいから巨大な数値モデルをエクセルで回し続けて、寝ないで仕事をしていたら、最後の記憶が土曜日に広尾のホームワークスで目覚めたところで終わっていて、途中の記憶は飛んでいるけれどもモデルとスライドはできていた、みたいなことがよくありました。これでは途中で虚偽記憶がインストールされていても気づかないレベルです。

ただ若いうちに限界近くまで仕事をして、自分の幅を知っておかないと、ふんばりが利かなかったり、年齢を重ね体力が落ちた際に逆に無理をして体を壊したりするものです。ただし、会社にとってみなさんの体は従業員として1/1000かも知れませんが、みなさんにとっては1/1なので、体を壊さない程度に無理をして、限界を知っておきましょう。

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