プロ野球の1軍と2軍、「昇格」「降格」の現実

結果がすべて、意識の持ちようで変わる

最終的な決定権者は監督ではありません(写真:Graphs / PIXTA)
いよいよプロ野球が開幕しました! 今年はどのチームが優勝するのか、応援しているチームの動向に一喜一憂している方も多いのではないでしょうか。
華やかな舞台で、鮮やかなプレーを見せるプロ野球選手たち。しかし、1軍で活躍するヒーローたちの陰には、たくさんの「2軍選手」の存在があります。
プロ野球通でもなかなか知り得ない、そんな「2軍のリアル」を、現役監督である田口壮さんが解説してくださっているのが『プロ野球・二軍の謎』です。元メジャーリーガーだからこそ書ける日米ファームチームの違いや、2軍の試合の楽しみ方、監督としての苦労話など、内容の一部を抜粋しお届けいたします。

集中力のなさが「降格」を招く

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

選手の昇格・降格をどのようにして決定しているのかというのは、野球ファンならば知りたいところではないかと思います。これは、1軍内での話し合いのあと、僕が西村徳文1軍ヘッドコーチか福良監督からその旨の連絡を受けて、その後、福良監督と球団本部長である長村裕之さんの間で決定されます。

ときおりマスコミのインタビューにも登場する「球団本部長」とは、いったい何をする人なのか? と思っていらっしゃる方も多いことでしょう。「球団社長」が球団経営のトップであるのに対し、球団本部長は、球団現場の実務的なことを統括する立場で、そこにすべての報告が集まります。したがって、ドラフトやFAでの選手獲得も、本部長を中心として話し合いが行われます。

また、球団内部には「編成部」という組織があって、その担当者が2軍のゲームを見たうえで、各選手の様子などを本部長に報告してくれるのです。球団本部長は、そういった情報をもとに選手個々の状況や性格をも把握し、僕ら現場の人間の目が行き届かない部分もカバーしてくれます。

つまり、本部長は「編成部からの情報」「1・2軍監督(現場)からの情報」の2本立てで全体を見渡しているのです。この立場は、アメリカで言えば「ゼネラルマネジャー(GM)」であり、GMの集めた選手たちを監督が使う、という構図です。

ですから、僕がノリで「おっ、キミ今日調子いいね! よし! 明日から1軍や!」と、誰にも許可を取らず決めるといった権利はありませんし、福良さんが、「あいつを2軍に落とす」と考えた場合は、必ず本部長との話し合い、もしくは報告を経ます。

また、この1・2軍の入れ替わりに関して、がっちり1軍に定着している選手が2軍に来る場合は、必ずしも「降格」とは言えません。もちろん、調子が悪いというのがその理由ならば「降格」なのでしょうが、そのほかにも「ケガのリハビリのため」「1軍のゲームで出番が少ないので試合勘をキープするため」など、選手によってその理由はさまざまあるのです。

次ページ多くの2軍選手に欠けていること
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去1週間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
認知症薬の功罪<br>その飲み方は安全か

認知症患者は増加中。認知症薬は進行を遅らせる効果が期待できるが、副作用が深刻。薬漬けを招き、寝たきりも。生活の質を損なっては元も子もない。何のために薬を使用するのか。