右傾化進んでも世界経済が割と好調な理由 ただしフランスとイタリアの選挙次第

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フランス極右政党・国民戦線党首で、欧州議会議員のルペン氏。フランスの選挙次第では、世界経済の成長が鈍る可能性も(Christian Hartmann/ロイター)

9年にわたりGDP(国内総生産)予測を下方修正し続けてきた世界の経済政策担当者は、首をかしげている。ポピュリズム台頭による政治的混乱にもかかわらず、2017年の世界経済は上方修正が確実視されるからだ。

好調なのは米国だけではない。それ以上に期待を上回って成長しているのが欧州だ。新興国も好転した。

景気回復の芽が摘み取られる可能性

カーメン・ラインハート教授と私が10年前に予告したように、リーマンショックのような金融危機の後に、低成長が6〜8年で終わるのは異常ではない。確かに中国の債務問題などは残されているが、持続的成長への種はまかれていたのだ。

だが、この景気回復の芽は各国で盛り上がるポピュリズムによって摘み取られてしまわないだろうか。

ドナルド・トランプ米大統領は先日、中国の習近平国家主席と会談したが、両国が建設的な関係を築けなかったとすれば、世界経済への打撃は計り知れない。トランプ政権は中国が保有する1兆ドル超の米国債に対する選択的債務不履行すら交渉材料と考えているが、あまりに無謀だ。

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