ジャパネット髙田明「できる理由を考える」

猛反対された生放送テレビショッピング

それで、最初は福岡と大阪の派遣会社に頼んで、カメラマンや音声さんなど10人に常駐してもらうことにしました。派遣社員10人と自社社員スタッフ10人の20人体制で、3月にスタートしたんです。

派遣会社からのプロのスタッフに4カ月間常駐していただいて、研修に行った若手の社員も加わって毎日放送しながら、徐々に社員だけで放送できる体制に移行していきました。研修に出したのは無駄ではありませんでした。3カ月間必死で勉強してきたことが活かされました。それでも人手が足りなかったから、専門技術を持った人を採用したりもしました。そうやって、自前でやる体制を作っていったんです。

猛反対の嵐――生放送へのこだわり

2001年の3月にスタジオが完成して、同じ月にCS放送の「ジャパネットスタジオ242」が開局しました。そして、すぐに生放送テレビショッピングを開始しました。6月にはNBC長崎放送で、地上波でも初めての生放送テレビショッピングを放送しました。

自社スタジオ開設当初の放送(写真提供:ジャパネットホールディングス)

生放送にも大反対されましたよ。それはもう猛反対の嵐でした。テレビショッピングを生放送するなんてことは、誰も想像してなかったんですよ。編集した番組のほうが安全でしょ。生放送では何が起こるかわかりませんし、放送事故が起こったら、最悪の場合、放送委託業者の許可が取り消されることもあります。だから誰も考えなかったんです。生放送なんてありえない、絶対にダメだと、何人もの人に言われました。

けれど、私はできると思いましたし、生放送にこだわりました。生放送だからこそ、お客さまに感動を伝えられると思ったんです。やってみてわかったことですが、生放送ならではの緊張感は話し手の語り口を変えてくれます。臨場感も出てきますよ。そして、それはお客さまの共感にもつながって、売り上げにも反映するんですよ。

たとえば、日本人はお天気の話が好きでしょう。あいさつの代わりにお天気の話をするのは、日本人とイギリス人だけだそうです。「おはようございます。皆さん、今日はいいお天気ですね」って、収録じゃ言えませんよね。生放送ならこれができるんです。それが大切だと思ったんです。

少し後のことになりますけど、2007年に高知空港でANAの飛行機が胴体着陸したことがあったの、覚えてらっしゃいますか。着陸しようとしたら車輪が出なくて滑走路に降りられず、空港の上空を2時間近くぐるぐる回っている映像がニュースで流れていましたよね。

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