セミナーレポート

熱を帯びる「SaaSベンチャー」急成長の舞台裏

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熱い! SaaSベンチャーのグロース戦略
SaaSベンチャー急成長の舞台裏 売上アップ、
プロダクト開発・戦略、リテンション、
マーケティングの視点

モデレーター:
セールスフォース・ベンチャーズ
日本代表
浅田 慎二

セールスフォース・ベンチャーズの浅田慎二氏は「売上高1兆円を目指すところまで成長したセールスフォースはSaaSビジネスの成長の可能性を示しています」と述べ、投資先のトレタ、ヤプリ両社に、営業組織体制、ユニット・エコノミクス(1単位当たりの経済性)を測るSaaS向け経営指標、顧客リテンションなどを尋ねた。

トレタの中村氏は、従業員増に合わせて、分業化による部門間の仕事の重複に注意して組織を見直してきた。KPIも、単純な導入店舗数から繁盛店契約獲得や、LTV(顧客生涯価値)/CAC(顧客獲得コスト)の重視へ、成長に応じて変更。解約防止としては、契約後も運用が軌道に乗るまで顧客を営業がフォローするといった取り組みを挙げた。

ヤプリの庵原氏は、自社のビジネス、コスト構造を理解したうえで設定したKPIを、セールスフォースのシステムを使って運用していると説明。特に、金額ベースでの解約率に注意を払い、既存顧客のアップセルだけでも売り上げが拡大する構造を目指している。また、未ログイン期間に応じた顧客リテンション、展示会での対面のセールスに注力しているとした。

二人は、セールスフォースの投資について、資金だけでなく、経営管理やSaaSビジネスの知見も得られ、セールスフォースのシステム活用でグローバル展開の可能性も広がると評価した。

成長を支え、規模拡大に耐えうる営業組織はどう作るべきか?
「今どき」の営業組織の作り方

セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業第2部 部長
寺本 裕一

セールスフォース・ドットコムの寺本裕一氏は、コーチングや環境整備で、営業ミドル層のパフォーマンスを向上させる方策を説明。営業活動をプロセス化すれば、異常値を見つけやすく、早めの修正が可能になるとして「ビジネスを因数分解して仕組みをつくる」ことを提案した。また、営業には多数の作業があり、どこでつまずくのか、わかりにくいという課題を指摘。分業化などによる「今どきの営業組織」づくりを訴えた。

セールスフォース・ドットコム
セールスデベロップメント
シニアマネージャー
鈴木 淳一

セールスフォース・ドットコムの鈴木淳一氏は、同社では、見込み顧客(リード)を創出するマーケティングと外勤営業の間に、リードを案件に育てるインサイドセールス(内勤営業)を挟むことで、商談の受注率向上、失注した商談の再生ができていると説明。内勤営業のポイントとして、立ち上げ時は良質なノウハウを残せるベテラン営業担当を配置、案件の質と量のバランスに配慮して評価することなどを挙げた。

WEIC
代表取締役社長
内山 雄輝

インサイドセールス専門コールセンターとSaaSの管理システムを組み合わせた仕組みを提供するWEICの内山雄輝氏は、労働時間短縮の流れで、限られた時間で受注可能な案件を見極め、営業を効率化する戦略が必要と指摘した。内勤営業は、相手企業の情報を深く知るために活用するとして、テレアポとの違いを強調。「リード獲得などに課題を感じ、私たちのサービスに関心を持つ企業は増えています」と述べた。

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