美容家電を「当てまくった」彼女が語る成長論

パナソニックの「悩める若手」が変わったワケ

組織と個人の関係を"従属関係"にしてしまうと、個人は思考停止に陥り、言われたことをやるだけになってしまいかねない。そうなると、社員本来のパフォーマンスが発揮されず、会社も損することになる。

一方、個人が成長すれば、組織も成長する。組織が成長すれば、より高次元な成長機会が与えられ、さらに個人が成長する。つまり、組織と個人が"互恵関係"になる。清藤さんは、組織を使うことで自己成長し、それを組織成長へとつなげている。

傍から見れば、清藤さんはすでに十分な結果を出している人だと思われるかもしれない。しかし、彼女は成功にあぐらをかかない。国内で実績をつくり、次に目を向けたのは世界だ。

本当に世界で戦える会社にしたい

「パナソニックは日本では"ジャイアント"だと思われているかもしれません。でも、海外ではまだまだ、私は『弱者の中の弱者』だと思っています。ですから、手広く投資を分散させてグローバルで戦っていくというよりは、選択と集中で、しっかり1つ成功する分野をつくりたい。まだ弱い立場なので単年で結果が出ないのは当たり前だと考えて、結果が出るまでやり続けたいと思っています」

人を育てるのは組織であり、組織を育てるのは人である。清藤さんは世界で通用する人と組織をつくるために、パナソニックのブランド価値向上に心血を注ぐ。

「海外では、まだパナソニックの知名度は低い。これからが勝負のとき」と力を込める清藤さん(撮影:梅谷秀司)

今、肌で感じている課題もある。「海外の方々と話して感じるのは、残念ながらまだ国外では積極的にパナソニックに入りたいと思われるほどの企業価値がないということです。海外の優秀な人材と切磋琢磨して組織をレベルアップさせるためには、海外からいい人が入ってくるようにする必要があります」。

「そのためには、もっと海外におけるパナソニックのブランド価値を上げなければ。私は事業で結果を出すことを通じて、必ずパナソニックのブランド価値を上げ、グローバルで成功する企業にしていきたいと思っています」

いま清藤さんが乗ったパナソニックという巨大モビルスーツは、海を跨(また)ぎ、世界という大地に大きな足跡を残そうとしている。

最後に、今でこそ組織を縦横無尽に乗りこなしている清藤さんだが、「会社を辞めたいと思ったことがないか」と聞いた。

「1年目は何度か辞めたいと思いました。今思えば自分に実力がなかっただけですが、積極的に会社に提言しても見事にスルーされ、自分は"透明人間"なんじゃないかと思うほどでした」と笑って振り返る。

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