心をゆさぶる!歌川国芳の「ねこ」と「特撮」 府中市美術館の展覧会に行ってみた

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《義勇八犬伝 犬江親兵衛》(前期展示)

国芳は犬もかわいい。「犬張り子は、子供の健やかな成長を祈る飾りものですが、きょとんとした顔に独自の味わいがあります。絵の中のそれも、こちらを向いてにっこりしています。しかも、いくつもいくつも微笑みかけてきます。」という解説パネルの文章にも、グッと来ます。この他にも、かわいい国芳の犬が揃います。

国芳が参考にしたと思われる円山応挙や長沢芦雪の犬の絵もあります。単なる浮世絵展とはひと味違いますね。なによりも、すごくかわいいのがよいです。

目玉コーナー「特撮ファンタスティック」

必見その④:新しい切り口がすごい!──特撮ファンタスティック

《讃岐院眷属をして為朝をすくふ図》(前期展示)

今回の展覧会の目玉コーナーのひとつ「特撮ファンタスティック」。これまで「武者絵」という、どうも現代人には馴染みの薄い言葉でひとくくりにされてきた作品を、金子さんが自身も大好きだという「特撮」をキーワードにした新しいアプローチで紹介します。「国芳と〈特撮〉」──何ともしっくり来ます。

円山応挙や長沢芦雪の作品と、国芳の作品が並ぶ。リアルかつどこか不思議な国芳の水の表現が生まれた背景がよくわかります。

次ページ締めはやっぱり「ねこ」
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