売り手市場でも学生の6割が不安に思う中身 面接、エントリーシート、ほかに苦手なのは?

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「楽観している」と回答した九州大学のある文系学生の活動開始時期は2016年5月以前。その活動もリクナビやマイナビへの登録だけでなく、JOBRASSやOfferBoxなどの逆求人型就活サイトへの登録もしていた。さらに、企業の選考面接をすでに経験しており、すでに内定も得ている。

一方、不安な学生の状況は、どうなっているのだろうか。東京女子大のある文系学生が活動を開始したのは2017年2月で、「やや不安」と回答している。しかし、その後の活動は活発だ。リクナビやマイナビなど就職サイトやSNSサイトへの登録だけでなく、逆求人型就活サイトへの登録もしている。インターンシップへの応募、学内キャリア支援講座などへの参加、OB・OG訪問もしている。応募エントリーシートも出し、企業の採用適性検査も受検済みだ。それでも不安なのは「自己分析ができていない」などの理由を挙げる。2月から始めたのでは時間が足りないと感じているのだろう。

明治大学のある文系学生は、2017年1月に活動を開始したが、「とても不安」だという。活動開始からの時間は少ないが、就職サイトへの登録を筆頭に、あらゆる活動を行っている。それでも不安なのは「面接が苦手」で、「先輩が苦労していたから」と、回答している。

大学のキャリアセンターを訪ねるべし​​​​

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2016年夏に就活を始めていても、「とても不安」と回答する就活生が中にはいる。反対に、今年から活動を開始した学生の中にも、「楽観」や「やや楽観」と回答する者はいる。ただ、「楽観」や「やや楽観」と回答した学生の9割は、前年に活動を開始していた。早く始めれば、当然、経験値が上がり、自信も生まれてくる。

もっとも、学生の楽観と不安は、紙一重だろうと思う。うまくいった面接で舞い上がることもあるだろうし、面接官に渋い顔をされて落ち込むこともある。

就活に出遅れたと感じているとしても、まだまだ巻き返しは可能だ。BtoB企業や大手企業以外にも、超優良企業はいくらでもある。視野を広げる企業研究を進めていけば、そうした狙い目企業に出会うことができる。

大学のキャリアセンターを徹底的に活用することも考えよう。不安の上位に並ぶ、「面接」「エントリーシート」「自己分析」「筆記試験」「業界研究」について、前述の通り、指導やアドバイスをしてくれる。それだけでなく、先輩の活動報告書、業界研究本などの資料もそろっている。活用しない手はない。今からでも十分巻き返しは可能なのだ。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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