SMAPの商標権は「かつお節」にまで及んでいる ジャニーズ事務所の知財戦略は何が凄いのか

✎ 1〜 ✎ 34 ✎ 35 ✎ 36 ✎ 最新
拡大
縮小

稲穂:なぜジャニーズ事務所が、そこまで敏感になったのか。ジャニー喜多川さんは、終戦後のアメリカ在住時、現地に来る日本の芸能人の興行のお手伝いをしていました。その際、出演する芸能人の写真を会場で売ったところ、飛ぶように売れたそうです。そこで肖像がお金儲けになると認識した。実際にラジオ番組でご本人がそう話されています。肖像に関する権利に対する意識が強くなった原点は、アメリカでの経験にあるようです。

木本:なるほど。そこから始まっているんですね。

稲穂:権利意識が強い会社とか個人とかは、だいたい大きな失敗か成功の体験があって、他よりも意識が高くなっていく傾向にあると思いますね。

SNS時代のタブーとは?

木本:ロケをしていても、ジャニーズなど人気のアイドルやスターの写真が勝手に撮られて売買されるのはよくないと思うので、写真がNGなのはわかります。でも理由がふわっとしているというか、全体的に「タレント=写真撮ったらダメ」みたいな雰囲気なのはちょっとおかしいなと思うときもあります。ロケ時にスタッフさんが、「写真遠慮してください」と、芸人しかいない場合でも言ったりして。僕らの写真なんか誰も売らへんと思うんですが。

稲穂:どんな美男美女でも、撮り方によってはきれいに写らなかったりしますよね。スマホで素人が適当に撮った写真は、もしかしたら本人のイメージに合わないかもしれない。それが流布するのを防ぎたいという部分もあると思います。

木本:タレントイメージを守る側面ですね。それはわかります。

稲穂:今はなんでもすぐに拡散する怖い時代です。

木本:SNSが発達していますから、オンエア前のロケシーンをネットにアップされるのは確かにNGにしてもらいたい。

次ページ肖像権には2つの側面がある
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT