東芝社長「延長しても適正意見のメド立たず」 結論不表明のまま決算発表

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 4月11日、東芝の綱川智社長(写真)は、決算は適正との監査意見を得られないまま発表に踏み切ったことについて、記者会見で、提出期限を延長しても独立監査人から適正意見を得るめどが立たないため、結論不表明のまま発表することになったと説明した(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 11日 ロイター] - 東芝<6502.T>が監査法人の適正意見を得られないまま2016年4─12月期の決算発表に踏み切った。

綱川智社長は11日の会見で「監査人から適正意見をもらえるメドが立たず、これ以上、株主、利害関係者に迷惑をかけることはできない」とし、「このような事態になり、お詫びする」と陳謝した。同社は5月中旬に通期決算を予定しているが、綱川氏は「(監査法人の評価が)終わらない可能性はある」と述べ、同様の事態が続く恐れを示唆した。

にじむ監査法人への不満

同社は、決算延期の原因となった米ウエスチングハウス(WH,3月末に米連邦破産法適用を申請)の内部統制などの問題について、「一部の経営者による不適切な言動が認められるとしたものの、財務諸表に影響は与えなかった」と結論付けた。

これに対して、2年前に表面化した不正会計問題を受けて今年度から東芝の監査を担当するPwCあらた監査法人は、監査委員会による最終的な調査結果を評価できていないとして、結論の表明を見送った。

綱川氏は、公表した16年4─12月期決算について「決算数字には自信がある」と強調、適正意見を付けないPwCあらたに不満をにじませた。

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