「安すぎる旅」商品はもっと疑ったほうがいい

「てるみくらぶ問題」だけじゃない

航空会社の例でいうと、サイト上で便とホテルを自分で選ぶオーダーメード型だが、便の空き状況によっても旅行価格が変動する。旅行会社のツアー分のキャンセルで手放された席が出る出発1カ月~3週前あたりに、その席を埋めるための掘り出しものが出ることもあるという。

空席も空室も、売れ残るよりは安くても売ってしまうほうがいい。それに、運賃を握っているのは航空会社なので、同じ宿泊パックで旅行するなら旅行会社よりもダイナミックパッケージのほうが安く設定できるという理屈になる。

ANAでは「旅作」、JALでは「JALダイナミックパッケージ」という名称だが、宿泊は1泊のみ選べば利用できるので、旅の自由度が高い。里帰りついでに旅行も、という使い方もできると取材で聞いたこともあるが、もちろんビジネスでも使えそうだ。なお、JR東日本の「ダイナミックレールパック」も仕組みは同じと思っていい。

このように空いている席は安く売る、というのが需給バランスだとすると、一見格安をうたう出張パックなどにも落とし穴がある。運賃と宿泊がパックになっていてかなり安い金額が提示されているが、よく見ると時間帯で運賃が変動し、人気の時間帯は割増しになっている。安さを享受しようとすると、人気のない早朝や遅い時間帯を選ばざるをえず、筆者も失敗した例だが、帰りまでの時間つぶしのために、無用に何度もカフェに入って茶を飲んだり、ついつい買い物したりするはめになった。「安さ」を得るつもりが無駄金を払ったという、よくある落とし穴にはまってしまったわけだ。

低価格と自由度は多くの場合、反比例する。不自由だからこそ安さというご褒美がもらえるのだ。この失敗は新幹線で大阪に行ったときの話だが、その後、筆者は金券ショップで新幹線のバラ売り回数券を買うことにしている。これなら割安なうえ、好きな時間帯に乗れるからだ。その後は無駄な時間もおカネも使わずに済み、十分満足している(なお、回数券はGWやお盆など繁忙期は利用できないので注意を)。

安さに目を奪われると意外な無駄金がかかることも

ホテルの予約にも少し気を配るとぐっとお得になる。宿泊予約サイトからではなく公式HPからのほうが安い、という新常識も浸透してきた。これも価格の仕組みはダイナミックパッケージの例と同じで、ダイレクトに取引したほうが間に中間業者の手数料がいらない分だけ安くできるわけだ。宿泊サイトで予約する前に、公式HPでの価格を確かめてみるひと手間がオトクの分かれ目だ。

ひと手間といえば、立地のチェックも忘れないようにしたい。中心街から離れたところにあるぶん割安な宿か、利便性がいい分お値段もやや高めの宿、同じ地域の宿でもいろいろある。人によって価値観、好みは分かれるだろう。

安さに目を奪われがちな人は、中心部や目的地まで遠すぎ、かえって移動コストがかかりはしないか確認したほうが安心だ。土地勘がない場所だと見極めが難しいが、ガイドブックを手に取ってその都市の中心エリアを把握したうえで、ホテルの価格を比較したほうがいいだろう。

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