16年度も下振れ、設備投資の低調が続く理由 「海外情勢の不透明感」が弱気の原因ではない

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2017年度設備投資計画も楽観視できない

2017年度を見ると、電気機械、非鉄金属、化学をはじめ、製造業は全般的に設備投資を増やす計画だ。一方で非製造業は物品賃貸、不動産、建設、電気・ガスなど、12業種中7業種で前年度と比べ設備投資を減らす計画となっている。製造業は外需や市況変動、海外情勢の影響を受けやすいため、今後の動向次第で計画に変更が生じる可能性も十分にある。

非製造業は比較的、海外情勢の影響を受けにくいといわれる。設備投資の減少も、海外情勢の不透明さよりは、むしろ国内の要因のほうが大きそうだ。たとえば不動産業ではここ数年、再開発や建て替えが盛んだったが、2017年度は東京五輪も近づき建築費も高騰しているため、新たな着工案件が少なくなってくることが考えられる。

そう考えると、2017年度の設備投資計画も決して楽観視はできない。海外情勢の不透明さのせいにするのではなく、設備投資に影響を与える国内の要因を精査する必要がありそうだ。

平松 さわみ 東洋経済 記者

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ひらまつ さわみ / Sawami Hiramatsu

週刊東洋経済編集部、市場経済部記者を経て、企業情報部記者

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