日経平均は続落、再び終値で1万9000円割れ 機関投資家の「益出し売り」が相場の重し

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 3月31日、東京株式市場で日経平均は続落。終値は4営業日ぶりに1万9000円を下回り、2月9日以来の安値水準で引けた。前日の米国株の上昇や円安基調を支えに買いが先行したものの、後場に下げに転じた。写真は都内で2015年4月撮影(2017年 ロイター/ Issei Kato)

[東京 31日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落。終値は4営業日ぶりに1万9000円を下回り、2月9日以来の安値水準で引けた。前日の米国株の上昇や円安基調を支えに買いが先行したものの、後場に下げに転じた。受け渡しベースですでに新年度入りとなっていた中、機関投資家による期初の益出し売りが相場の重しとなり、安値引けとなった。

日中はドル/円<JPY=>が112円台を一時回復し、市場に安心感をもたらしたが、主力輸出株の上値は重かった。後場入り後は売り圧力が継続。1万9000円を割れたところでいったん、押し目買いが入り、指数は下げ渋ったものの、大引けにかけて再度軟化した。

業種別では電気・ガスを除く32業種が下落。TOPIXは前日比0.98%安。下落率は日経平均(0.81%)を上回った。

大和証券シニアストラテジストの石黒英之氏は「機関投資家の益出し売りが出ている。外部環境にも見極め要因が多い」と指摘。「4月は外国人投資家の買い越し額が膨らむ時期で、業績期待感も支えとなるとみられる。来週以降には徐々に相場も落ち着いてくるだろう」と話す。

個別銘柄では東芝<6502.T>が大幅続伸。約1か月半ぶりに250円台を一時回復した。米投資ファンドのシルバーレイク・パートナーズ、米半導体大手のブロードコムが東芝の半導体メモリー事業を巡り、2兆円程度での買収案を示したようだと一部で報じられ、騰勢が強まった。

半面、森永製菓<2201.T>が大幅安。森永乳業<2264.T>はストップ安で取引を終了した。両社は30日、経営統合に向けた検討を終了したと発表した。競争力の強化につながるとの期待が後退する形となり、失望売りが出た。

東証1部騰落数は、値上がり270銘柄に対し、値下がりが1677銘柄、変わらずが65銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     18909.26 -153.96

寄り付き   19170.42

安値/高値  18909.26─19210.92

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1512.60-14.99

寄り付き     1537.30

安値/高値    1512.60─1539.70

 

東証出来高(万株) 222223

東証売買代金(億円) 25881.88

 

(長田善行)

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