30日の米国株は上昇、ナスダック史上最高値 第4四半期GDP上方改定を受け市場に安心感

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 3月30日、米国株式市場は主要株価指数が上昇して取引を終えた。堅調な個人消費に支えられて2016年第4・四半期の米国内総生産(GDP)確報値が上方改定されたことを背景に、金融株が買われて相場をけん引した。ニューヨーク証券取引所で29日撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 30日の米国株式市場は主要株価指数が上昇して取引を終えた。堅調な個人消費に支えられて2016年第4・四半期の米国内総生産(GDP)確報値が上方改定されたことを背景に、金融株が買われて相場をけん引した。

ハイテク株の比重が高いナスダック総合指数は5営業日続伸して終値としての過去最高値を更新した。

原油高を好感してエネルギー株も買われ、S&Pエネルギー株指数<.SPNY>は3営業日続伸。コノコ・フィリップス<COP.N>が8.8%値上がりし同指数を押し上げた。同社はカナダ国内の石油・ガス関連資産を売却すると発表した。

S&P総合500種は3営業日続伸。

米商務省が発表した昨年第4・四半期のGDP確報値は年率換算で前期比2.1%増となり、改定値の1.9%増から引き上げられた。

ボヤ・インベストメント・マネジメントのシニア・マーケット・ストラテジスト、カリン・カバノー氏は、政治の動向はともかく、GDP確報値により「経済は前進していることが基本的に確認された」と指摘。「米経済だけでなく、世界全体で改善が見られる」と述べた。

S&P金融株指数<.SPSY>は1.2%上昇。バンク・オブ・アメリカ<BAC.N>とシティグループ<C.N>がS&P総合500種を押し上げた。

一方でディフェンシブセクターとされる公益株は売られ、S&P公益事業株指数<.SPLRCU>は0.7%低下した。

投資家の着目点は、今年第1・四半期の企業決算が高いバリュエーションを正当化できるかに移りつつある。今後1年間の業績見通しに基づくS&P総合500種企業の株価収益率(PER)は約18倍で、長期平均の15倍を上回っている。

トムソン・ロイター・エスティメーツによると、S&P総合500種企業の第1・四半期決算は10.1%の増益になると見込まれている。

ソラリス・アセット・マネジメントのティム・グリスキー最高投資責任者(CIO)は「雇用を中心に経済指標の改善が続いている」と指摘。第1・四半期は「企業業績の面で好調な四半期となる公算が大きい」と話した。

このほかの個別銘柄では、カナダのスポーツ衣料大手ルルレモン・アスレティカの米上場株<LULU.O>が23.4%急落。第1・四半期の既存店売上高が減少するとの見通しを示したことを受けて売られた。

米取引所の合算出来高は約60億株で、直近20営業日の平均である68億株を下回った。騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所では上げ銘柄が下げ銘柄を上回り、比率は1.56対1だった。ナスダックも1.49対1で上げ銘柄が下げ銘柄を上回った。

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