「空飛ぶカメラ」で自撮り棒はいらなくなる? 規制の対象外で上空20メートルまで飛行可能

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販売目標に関して、ストロッピアーナ氏は「日本だけでも10万台を売る」と野心的な数字を掲げる。「ドローンを10万台売るのは大変だが、エアセルフィーはドローンではない。スマホの関連製品を10万台売るのは難しくない」と同氏は熱弁する。

操作性に関しては、記者が試してみたところ短時間で慣れるのは難しそうで、静かなオフィス内では動作音が気になった。飛行させる場合、バッテリーは3分程度しかもたない。また画質も500万画素なので、進化したスマホの画質に慣れた人は物足りないと感じるかもしれない。だが「これまで不可能だった角度で写真を撮れる」という点は大きい。

ユーザーの意見をフィードバック

「日本で10万台は売りたい」と意気込むストロッピアーナ氏(記者撮影)

画質が500万画素なのには理由がある。開発の際、「スマホとエアセルフィーを入れた専用ケースが洋服のポケットに入る」サイズにとどめると決めていたため、この制約内で実現できた最大の画素数が500万画素だったという。

専用ケースは特定のスマホのサイズに合わせて作っているが、6週間程度で製作できるため、スマホの新製品が出てもデザインの変更は難しくないという。

現在の事前予約は自社サイトで行っているが、スマホや家電を売る実店舗での販売契約も進めている。またアマゾンなどでのネット販売にも期待を寄せている。販売後、ユーザーの意見をフィードバックするため、これからQ&Aやレビューを書き込む専用サイトを作成するまたツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどSNSをモニタリングすることで、製品向上につなげていくという。

自撮り棒に比べて、空飛ぶカメラは進化の余地が大きい。以前はできなかった撮影によって、自撮りの新たな可能性を切り開くことになるかもしれない

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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