「心の免疫力」がどんどん高まる5つの習慣 折れない心をつくる簡単な方法、教えます

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折れない心をつくるために、次の1~5のエクササイズを定期的に実行しましょう。毎日できるとベストですが、週1回でも効果があります。ストレスの多い時期や、自分に自信がなくなりそうなときにも、あらかじめ実行しておくと効果的です。用意するのはまっさらな紙2枚です。

自分のいいところを書き並べる

<自分の強みを確認するエクササイズ>

(1)まず1枚目の紙に、自分のいいところを書き並べましょう。性格や特徴、やりとげたことなど、何でもかまいません。少なくとも10個以上見つけられるように頑張りましょう。

(2)よいところを考えているときに、ネガティブな考えや批判的な言葉が心に浮かんできた場合は、それを2枚目の紙にすべて書きとめましょう。

(3)1枚目の紙に書いた中から、自分がいちばん大事だと思うものをひとつ選んでください。そのことについて、短い文章を書いてみましょう。なぜあなたは、この特徴やスキルや経験が大事だと思うのでしょうか。あなたの人生にとって、それはどんな意味を持ちますか?

(4)次に2枚目の紙を手に取って、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱に捨てましょう。こんなものはただのゴミだからです。

(5)翌日(または数日後・1週間後)、1枚目のリストの中から別の特徴をひとつ選んで、それについて短い文章を書きましょう。1日にひとつずつ、定期的に(できれば毎日)実行し、リストのすべての項目が終わるまで続けてください。

途中で自分のよいところを思いついたら、それもリストに追加しましょう。

このエクササイズの主な効果は、無力感や傷つきやすさを軽減し、嫌なことがあっても折れない心をつくること。また、自己否定を減らし、ポジティブな言葉を受け入れやすくすることです。

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自己肯定感を高めるには、時間がかかります。すぐに効果が出ないと思っても焦らず、今回紹介したエクササイズや前回記事(「心の免疫力」が高い人が実践する地道な習慣)で紹介した「手当てA(自分にやさしい言葉をかける)」などを一つひとつ着実に実行しましょう。

なかなかエクササイズが実行できなかったり、いくらやっても効果が上がらないときは、医師やカウンセラーに相談してみることをおすすめします。自己肯定感が低いあまりに、自分や他人を傷つけたい気持ちになっているときは、すぐに助けが必要です。まずは最寄りの病院に行き、今後の対処について相談しましょう。

ただ、批判的な人々の輪から離れるなど環境を変えたり、自分でできる手当てを続けていれば、多くの場合、状況は改善していくでしょう。ぜひ、体のケアと同じように、心のケアも日常的なものとして取り入れ、心の免疫力を高めるために役立ててください。

(構成:山岸美夕紀)

ガイ・ウィンチ 心理学者

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がい うぃんち / Guy Winch

心理学者。ニューヨーク大学で臨床心理学の博士号を取得後、セラピストとしてニューヨーク大学メディカルセンターに勤務。その後マンハッタンで開業し、20年以上にわたって心理療法を実践している。講演家としても定評があり、TED トーク「感情にも応急手当が必要な理由」は 370 万回以上(2016年8月時点)視聴され「2015 年で最も人気のトーク」にランクインした。「ハフィントン・ポスト」や心理学誌「サイコロジー・トゥデイ」にブログを寄稿している。他の著書に『The Squeaky Wheel』(未邦訳)がある。

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