上野と丸の内、2つの音楽祭は何がスゴいのか 振り返ると2005年は画期的な年だった

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注目を集める2つの音楽祭。魅力と聴きどころに迫る(写真:のびー / PIXTA)

桜の季節を迎えた上野を舞台に開催される「東京・春・音楽祭」と、ゴールデンウイークの丸の内を舞台に開催される「ラ・フォル・ジュルネ」。共に13年目を迎える2つの音楽祭は、クラシックファンの間ですっかりおなじみだ。毎年多くのファンの注目を集める音楽祭の今年の概要が出そろったところで、それぞれの魅力と聴きどころに迫ってみたい。

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まずは2つの音楽祭の成り立ちをおさらいしてみよう。2005年に「東京のオペラの森」として、オペラのニュープロダクション初演をテーマとしてスタートした「東京・春・音楽祭」は、2009年に現在の名称に変更。毎年春の上野公園を舞台に開催されている。

音楽祭の目玉となる「ワーグナー・シリーズ」や、オーケストラ公演、国内外の一流アーティストによる公演のほか、美術館や博物館を会場とした「ミュージアムコンサート」が行われるのもこの音楽祭の大きな特徴だ。

100にも及ぶ無料公演

開催期間は約1カ月間。今年は3月16日(木)から4月16日(日)までの期間に約150公演が行われる。その内訳は、約50の有料公演のほか、上野駅、カフェ、レストラン、オフィスビルやお花見会場などで行われる100にも及ぶ無料公演がある。上野の山は桜とともに音楽に満ちあふれた季節を迎えているのだ。

一方でゴールデンウイークの風物詩となった感のある「ラ・フォル・ジュルネ」は、1995年にフランスのナントで生まれた音楽祭。その最大の特徴は、毎年設定されるテーマのもと、朝から晩まで複数会場でコンサートが行われるほか、無料公演も多数用意されるという画期的なもの。1つのコンサートは休憩なしの約45分間で、チケット料金も日本円にして約1500円程度からとリーズナブルに設定されている。

音楽祭の生みの親である“アーティスティック・ディレクター”ルネ・マルタンは「美術館で絵を鑑賞するように気軽にコンサートを楽しむ音楽祭を作りたかった」と語っている。

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