英語特集

英語で広がる世界、増える選択肢

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語彙強化のための3種の神器

―英語ができるようになると、何が違ってきますか。

蟹瀬 通訳を介す場合と、英語で直接相手と話す場合を考えれば、すぐわかるでしょう。直接的な意思疎通ができると、心理的な距離が一気に縮まり、人間関係が深まります。もちろんその場合も何を話すのかということのほうが、より大事です。ブロークンでも構いませんから、ストーリーテラーになること。相手の興味を引く話ができるかどうか、物語を語れるかどうかで、全然違います。たとえばどこの国に行っても新渡戸稲造の「武士道」の話をすると、興味を持たれます。人間としてどう生きるかという世界共通の問題意識がそこにあるからです。

―日本人の英語はボキャブラリーが貧困だとよく言われます。そこを克服する方法は?

蟹瀬 ボキャブラリーをビルドアップしていくには、たくさん読むことです。私も、雑誌から共産主義原論、宇宙飛行士のトレーニング法など、とにかくいろいろ読みました。そうすると教養が広がっていきますし、いろいろな発見があって面白くなっていきます。勉強が苦痛どころか楽しくなっていくんですよ。

そこからさらにレベルアップするには、3種の神器があります。聖書とマザーグースとシェイクスピアです。欧米の英語圏では聖書に書かれている表現がたくさん出てきます。新聞や雑誌の記事のタイトルなどでもよく使われています。マザーグースというのは英語のわらべ歌のようなもので、これも英米では言語表現のベースになっています。それからシェイクスピアは、とくに英国の教養レベルが高い人の表現によく出てきます。たとえば「What's in a name」というのは「ロミオとジュリエット」に出てくるフレーズで、問題の核心は何だというような意味合いです。こういう表現を知っているかどうかで理解度は大きく違ってきますし、こういう表現を使うとビジネスの場でも一目置かれるようになります。

人生が豊かになる可能性も

―自分の仕事には英語が全く必要ないという人もいます。そういう人は英語を学ぶ必要もないとお考えですか。

明治大学国際日本学部教授
蟹瀬誠一
SEIICHI KANISE
かにせ・せいいち
1950年、石川県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。米国AP通信社記者、フランスAFP通信社記者、「TIME」誌東京特派員などを経て国際ジャーナリストに。現在は明治大学国際日本学部長も務める。「日本人だけが知らなかった英語上達法」(中経文庫)など、英語に関する著書も多い。

蟹瀬 一生、英語は必要ないと信じているのであれば、学ばなくてもいいでしょう。でもある日、自分の勤めている会社が米国に支店を設けることになり、その責任者になるかもしれません。あるいは自分の部署に外国人が配属されることも考えられます。今は年間2000万人の人が海外からくる時代です。これからはもっと増えるのが確実です。仕事の場に限らず日常生活のなかでも外国人と接する機会はどんどん増えていくでしょう。英語ができるという条件で非常にいい条件の転職のオファーがきたとき、英語ができなければみすみすチャンスを失うことになってしまいます。

細菌学者のパスツールは「Chance favors the prepared mind」という言葉を残しています。私の好きな言葉で、準備のできている人にチャンスはほほ笑む、という意味です。チャンスというのは、駅で待っているときにやってくる電車のようなものです。どの電車に乗るかは自分の判断です。でも、乗りたい電車がきたとき、その電車の切符を持っていなければ乗ることはできません。人生にはさまざまな分岐点があります。そういうとき英語という切符を持っていれば、選択肢は確実に増えるはずです。

人間関係の基本は、いつの時代もハート・トゥ・ハート。さまざまな人と信頼しあい、尊敬しあえる人間関係ができれば、それは一生の財産になります。英語というのは確かに一つの道具にしかすぎません。でも、その道具を使えるようになることで、人生そのものが豊かになる。そんな可能性すら持つ道具なのです。

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