オランダ総選挙が欧州にもたらした「転機」

独仏でも極右が負ければ流れは確実に変わる

オランダ総選挙で敗北した形となった極右政党、自由党のウィルダース党首。ロッテルダムで撮影(ロイター/Yves Herman)

先週実施されたオランダ総選挙の結果は、ポピュリズムに打撃を与えた。反EU(欧州連合)や移民排斥を唱える極右の自由党(PVV)の議席獲得が予想を大幅に下回ったことは、欧州各国で今年、総選挙が相次いで予定されている中で、幸先の良いスタートとなった。

総選挙を受け、オランダでは第1党の自由民主国民党(VVD)を中心に、中道右派の連立政権が形成されるだろう。VVD党首であるルッテ首相は留任する公算が大きい。これはオランダ、そして欧州にとっても良いことである。

オランダの新政権は、税制の長期的な見直しを含めた重要な構造改革を進め続ける可能性が高い。こうした改革の最善の手法は、複雑な税控除の廃止や所得税率の均等化を通じて税制を透明かつ効率的にする一方で、長期的な経済成長の基盤を築くことにある。

批判的ながら建設的な姿勢

同国の財政が大幅な黒字である点からすれば、新政権はインフラ投資を増額できるだろう。すでに欧州最先端のレベルに達しているデジタル化もさらに加速し、生産性はさらに向上するだろう。

新政権はまた、EUとユーロに対して批判的ながら建設的な姿勢を取り、難民問題などの解決に向けてEUを後押しすると予想される。

こうした一連の施策は、ゲルト・ウィルダースPVV党首がEU離脱やイスラム教徒などの締め出しを提唱しているのとは、一線を画するものだ。

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