LINE2億人突破、成長はどこまで続く? 海外ユーザー拡大の一方、浮上する新しい課題

拡大
縮小

売り上げも順調増

無料サービスで集めた大量のユーザーを収益に結び付けることにも成功しつつある。12年4月にはスタンプの有料販売を開始。その後もLINEを通じたゲームや漫画などの提供を始めた。

その結果、業績は順調に拡大している。13年1〜3月のLINE事業の売上高は60億円弱と12年10〜12月からほぼ倍増。うち5割がゲーム課金でスタンプ課金が3割を占めた。アプリ調査会社のアップアーニーによれば、非ゲーム系のアプリにおいて、13年5月のアンドロイド端末向け公式ストアの世界売上高ランキングでLINEは1位、アップルの端末向けでも3位に位置している。

さらにスマホ時代の主役の座を固めるべく、新たな一手も打った。

7月18日、新サービス「LINE NEWS」を開始。パソコンに比べて小さいスマホ画面でも見やすいように、独自の編集でニュースを要約して提供。ユーザーが閲覧したトピックを認識し、関連記事を通知する機能も用意した。肌身離さず持ち歩くスマホに最適化することで、ユーザーを囲い込む作戦だ。

ヤフーとのガチンコ勝負

急成長するLINEは、日本のインターネットの王者、ヤフーの地位を脅かしている。従来、ネットで最も使われるサービスはポータル(玄関)で、その覇権を握っていたのがヤフーだった。が、ネット利用のメインデバイスがパソコンからスマホに移行する中で、ヤフーの存在感は薄れている。

危機感を持ったヤフーは、12年10月にカカオの日本法人カカオジャパンと資本・業務提携を結んだ。しかし、日本でのカカオのダウンロード数は13年6月で1100万と、LINEに差をつけられている。そのうえ、ヤフーの有力な集客エンジンでもあるニュースにも、今回LINEが挑戦状をたたきつけた格好だ。

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