慶應ビジネススクール

リーダーとして、生涯にわたるテーマを得る scene 2

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銀行の投資銀行部門において2012年から新規業務開発を担当してきました。お客様のニーズが高度化・複雑化しつつあり、これまで当たり前と考えられてきた常識が次々と変わり、ビジネスモデルが大きく変わってきていると感じています。もはや既存の金融の専門的スキルだけでは対応できないと感じていました。
自分は何をしなければいけないのか。具体的な解決策が見えづらい中、漠然と自問する日々を変えたいと考え、EMBAプログラムへの参加となりました。
新規業務開発の領域は、手本のない世界、正解のない世界です。道を切り開いていくためには、自分を変化させなければなりません。思考を大きくストレッチし、過去に見て来なかった領域を知り、学び続ける環境を作っておくには今しかない、そう考え入学を志願したのです。
 
Executive MBA 第1期修了生
〜絹谷 健二〜
三井住友銀行
成長産業クラスター 業務開発グループ 上席部長代理
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)が、日本初の中核ミドル層に特化した新しいMBAプログラム「Executive MBA(EMBA)」を2015年に開設して初めての修了生を送り出した。総合的な経営管理能力をもつ最高経営幹部(トップマネジメント)が歩を進める瞬間だ。果たして学生たちは何を学んだのか。

リーダーにとって特別な科目がある

2年間のEMBAプログラムは、「インプット(理論)」と「アウトプット(実践)」をくり返す日々であり、また「すぐに実践で活用できるHOW TO」と「中長期視点で物事を捉えるWHAT」を学ぶ日々でもありました。個性あふれる多様な講師陣と、さまざまな業種から集まった経験豊富な同志たちが時間を惜しまず真剣勝負の議論を尽くすのです。その結果、偏りがちだった知識を広げることができ、より実践的なスキルセットを身につけることができたと思っています。そして同時に自分自身の課題を見つけることにもつながりました。

印象に残る科目の1つに〈ビジョナリー科目〉というものがあります。その内容は、40年後の「大義ある未来」のために今何をすべきかを考え続ける内容で、入学から2年間を通しての授業というタフな内容です。2年をかけてじっくりと議論し、熟成させることで、入学前に漠然としていた「自分のやるべきこと」が、生涯にわたって私の心に留めておくべきテーマとなって表れたように思います。

具体的には、経済的リターンと社会的リターンを掛け合わせた「社会的経済的価値を最大化させる方向に進む」という私なりの軸であり、これを常に念頭に置くことができたことは大きな収穫です。ビジョナリー科目を学んでいたことで、昨今、世界的に事例が増えて来ている社会的インパクト投資の1つ、日本初の本格的ソーシャル・インパクト・ボンド(公益事業を民間資金で民間が事業を行い、事前に合意した成果に応じて行政が事業費と成功報酬を投資家に支払うモデル)の推進に挑戦することができました。

日々、忙しい業務の中、どうしても長いスパンで物事を捉えることを忘れがちになります。リーダーを目指すものにとって、ビジョンを示すことはとても大切です。

学びは2年で終わりではない

EMBAプログラムの2年間、現状を打破し改善したいと考えている人材や、企業で重責を担っている人材、企業で活躍が期待されている人材が、毎週のように集まり議論をしてきました。それぞれの業界で活躍するエキスパートが、自分自身の業界の考え方や苦労していること、悩みを披瀝していくことで、互いに勉強になることも多く学びも深まりました。仲間をリスペクトしながら多くの時間を共有することで、なんでも相談できる関係ができたことは大きな収穫です。

在学中は、勉強以外でも交流を深めました。例えば、KBSの全日制MBAの学生や早稲田大学ビジネススクールの学生との交流会、フットサルやゴルフ、ヨットなどのレクリエーションなど、自主的に企画して取り組みました。学生の頃を思い出すような活動で、楽しいひと時となりました。

修了後は、この交遊を前進させる意味を込めて、ビジョナリー科目の実践を継続することにしました。2ヶ月に一回、自主的に講師をお呼びし、ディスカッションする場を作るのです。すでに2017年度の日程は決まりました。

手本なき時代の中、リーダーは進まなければなりません。これだけの優秀な仲間がいれば、突き当たる壁も乗り越えていけると信じています。

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