3年迷って、39歳で結婚した男性の「決め手」 その人と結婚して人生は面白みを増すか

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「若い頃は好きだったら結婚できると思いますが、年齢を重ねていくと慎重になります。離婚だけはしたくないので……。平時だけではなく有事のときに思いやり合えるかを見極めたいと思いました」

有事まで想定に入れるとは日米安全保障条約みたいな発想である。わざと有事を起こすわけにはいかず、最終的には相手を信用するしかないところも似ている。慎重派の秀雄さんは凜子さんと2人で何度も海外旅行に行くことで、平和な名古屋の外でのお互いの振る舞いと相性をチェックすることにした。

「海外といっても危ない地域に行ったわけではありませんが、日本にいるよりは不便なので、相手の意外な面も知ることができます。深夜1時に出発して朝5時に帰ってくる台湾旅行をしたこともありました。喜んでついて来て、帰宅してすぐに病院の仕事に出かけた妻を見たときは、こんな女性はなかなかいないと嬉しく思いましたね」

妻の友人にケチをつける秀雄さん

本当の有事は別の場所で起きた。秀雄さんは嫉妬深くはないが、自分にも他人にも厳しい男性だ。凜子さんの親友やゴルフ仲間にケチをつけ始めた。

「妻の親友がすごくイマイチなんですよ。調子に乗っているというか……。別れたはずの元彼を寂しいときだけ呼び出して振り回したりしている。そういう倫理的に外れた振る舞いをする人は嫌いです。ゴルフ仲間の男たちもひどい。人間としての魅力がなさすぎる。こんな風に悪口をたくさん言っていたら、妻が怒ってしまいました。別れそうになったことも2回ほどあります」

秀雄さん、「かくあるべき」を他人に押し付けるような人は嫌いだと言いながら、自分は恋人に対して同じことをやっているではないか。カップルで趣味や友だちを共有するのは楽しいことだが、すべてが一致するわけではない。別々の人間なのだから当たり前だ。恋人や配偶者の友だちが気に入らないのであれば、適度な距離をおけばいいだけだと思う。

たまに辛辣な批評をしてもいいけれど、あまりにしつこくボロクソに言うと2人の関係も危うくなる。ちなみに筆者はスポーツ全般が好きではないので、居間のテレビで妻が見ているプロ野球中継を断りもなく消してしまったりする。そのたびに夫婦間の温度が冷めるのを感じる。今シーズンから気をつけたい。

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