ルネサス、システムLSIの鶴岡工場閉鎖へ 台湾企業への売却交渉、合意に至らず

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7月27日、経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスが、デジタル家電などに使うシステムLSIの主力生産拠点である鶴岡工場を閉鎖する方向で調整していることが分かった。昨年10月撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 27日 ロイター] - 経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクス<6723.T>が、デジタル家電などに使うシステムLSI(大規模集積回路)の主力生産拠点である鶴岡工場(山形鶴岡市)を閉鎖する方向で調整していることが27日、分かった。関係者によると、合理化の一環として台湾メーカーへの売却交渉を進めていたが、合意に至らなかったため。

ルネサスは昨夏、18カ所ある国内工場の約半数を閉鎖・売却する再建計画を策定、鶴岡工場についても今夏をめどに売却する方向で検討していた。台湾の半導体受託生産最大手台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW> への売却を目指していたが、交渉は不調に終わった。新たな売却先も見つかっていないことから2―3年後にも閉鎖する方針を固めた。

鶴岡工場は演算や画像処理に用いるシステムLSI(大規模集積回路)と呼ばれる半導体を生産。主力だった家庭用ゲーム機向けが振るわず、採算が悪化している。同工場の従業員約1000人は早期退職の募集や配置転換などを検討する。

ルネサスは、スマートフォン(多機能携帯電話)など携帯端末向け無線通信技術(ワイヤレスモデム)の半導体開発を手掛けるモバイル事業からの撤退を決めたばかり。今年9月末までに官民ファンドの産業革新機構などから1500億円の出資を受けることが決まっている。自動車向けのマイコンなどに経営資源を集中する一方、不採算事業の見直しや生産拠点の統廃合などを進め、経営再建を急いでいる。

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