石原氏「大きな流れに逆らいようがなかった」

「都知事が立ち入って差配する問題じゃない」

都議会の百条委員会に臨む石原元都知事(20日午後、東京都議会議事堂で)=伊藤紘二撮影

東京・築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題を調査する都議会の百条委員会は20日、豊洲地区への移転を決定した石原慎太郎元都知事(84)の証人喚問を行った。

石原氏は、「行政(組織)のピラミッドの頂点にいた私が、全体の総意として決裁した」とトップとしての責任を認めた。ただ、移転先が豊洲地区になったのは「都庁全体の大きな流れがあり、逆らいようがなかった」と述べた。

証人喚問の焦点は、〈1〉土壌汚染が判明していた豊洲を移転先に選んだ理由〈2〉土地を所有する東京ガスと土地売買交渉をした浜渦武生元副知事による「水面下交渉」の内容〈3〉東京ガスが追加の汚染対策費を負担しない「瑕疵(かし)担保責任の免除」が盛り込まれた経緯――だった。

豊洲が移転先になった理由について石原氏は、前任の青島幸男氏からの引き継ぎ書に「豊洲地域に市場を移転する」との記載があったことを挙げ、「既定路線」だったことを強調した。

その上で「担当者が『衆議一致したので決裁願いたい』というので『土壌汚染は解決できるか』というと『今の技術をもってすれば大丈夫です』ということで決裁した」と説明した。

「水面下交渉」は、「辣腕(らつわん)」の浜渦氏に「全権を委任した」として、「報告をいちいち詳細に受けていない」「都知事が立ち入って差配する問題じゃない」と述べた。

18日の証人喚問では、東京ガスと都が土地売買契約を締結した2011年3月当時、市場長だった岡田至氏が、土壌汚染対策を巡る交渉結果を「石原氏に説明した」と証言した。

この点を問われた石原氏は、契約時期が東日本大震災直後だったとして、「大混乱の中にあり、そういう報告を受けた記憶はない」と断言し、昨年10月に届いた都からの質問状で「初めて知った」と説明した。

豊洲市場の地下水から環境基準の100倍のベンゼンが検出され、都議から、「環境基準以下にする約束だった」と指摘されると、「ハードルが高すぎたかもしれないが、地下水を使うわけじゃない。何の害があるのか」と不満を募らせた。

築地市場は建材にアスベストが使用されていることなどから、「都民が食べる生鮮食品を扱う施設として、最も不適当な施設だ」と豊洲へ早急に移転するよう主張。移転延期を決定した小池百合子知事に対し「移転延期を議会に諮らず、議会軽視の最たるものだ。彼女の不作為の責任が問われるべきだ」と持論を展開した。

一方、小池知事は都庁で報道陣の取材に応じ、「私が(移転の)ハードルを上げたのではない。石原さんが上げた基準をどうクリアするかで、色々な検証をしてきた」と反論した。

この日の尋問は、石原氏の体調不良を理由に、1時間に短縮された。

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