経費を雑に把握する会社は成長余力が少ない 製品・サービスの価格を考え抜いていますか

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間接部門がしっかりしていない会社は伸びません(写真:makaron* / PIXTA)

3月末が近づいてきました。上場企業でいえば約7割、つまり日本企業の大半が決算期末を迎えるこの時期。多くの企業で経理・財務担当者の仕事がピークを迎えています。交通費、出張旅費、交際費など、経理からせっつかれて経費精算にいそしんでいるビジネスパーソンも少なくないでしょう。

経理・財務は収益を稼ぎ出す現業部門を支える間接部門ではありますが、ここがしっかりしていない会社は成長できません。

私は弁護士、税理士の両資格を持ち、上場企業の取締役でもあります。こうした1人3役は珍しいと思いますが、それぞれの立場から会社を見ることで、経営を立体的に見られるようになりました。その経験から、経営が伸びてる多くの会社では社長が大切にしていることや考え方、取り組みに意外な共通点があることに気づきました。

伸びてる会社の経理は、総じて異常に細かい

拙著『伸びてる会社の意外な共通点』でも詳しく解説していますが、伸びてる会社の経理は、総じて異常に細かいという共通点があります。

(※)拙著のタイトルや本文で使用している「伸びてる会社」という表現は、正しくは「伸びている」とすべきですが、現在進行形で成長しているスピード感や躍動感を伝えるためにあえて「伸びてる」という表現にしています。

具体的には経費の勘定科目が細かく分かれています。

たとえば、「水道光熱費」とするのではなく「水道費/電気代/ガス代」まで分ける。「通信費」は「固定電話代/携帯電話代/プロバイダ使用料」と分類。「旅費交通費」ではなく「電車代/高速道路代/タクシー代/宿泊費」といったところまで把握するのです。

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