実はアメリカは「産休・育休制度」の後進国だ なぜ3カ月無給?アン・ハサウェイが訴え

拡大
縮小
国際女性デーに男性の権利についても訴えたハサウェイの声は…(写真:Shannon Stapleton/REUTERS)
実はアメリカは産休・育休制度の後進国。先進国の中で唯一「有給の産休制度」を取り入れていない。アカデミー女優の切実な訴えはトランプ政権に届くか。

アメリカの産休・育休制度の改善を訴えたハサウェイ

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

先進国アメリカが、世界の中で驚くほど後進的な分野がある。産休・育休制度だ。

「どういうわけか私を含めてすべてのアメリカの親たちは(子供が生まれてから)3カ月間、無収入で休んだ後に通常の生活に戻るものだと想定されている」

アカデミー助演女優賞の受賞者で国連親善大使でもあるアン・ハサウェイは「国際女性デー」の3月8日、ニューヨークの国連本部でスピーチを行い、アメリカの産休・育休制度の改善を訴えた。ハサウェイ自身、昨年第1子を産んだ「アメリカのワーキングマザー」だ。

男女平等と女性の地位向上などを目指す会合で、各国からの出席者を前にハサウェイは自分の言葉でこう語った。「アメリカの母親の4人に1人は、休んでいる経済的余力がないため、出産後2週間で仕事に復帰している。この現実を聞いて、私は胸が痛くてたまらなくなった」

ハサウェイのスピーチが国連本部で行われたことは、アメリカにとっては皮肉だったかもしれない。人権や平等といった問題に特に敏感で、国連を含め常に国際社会をリードする立場にあるアメリカが、先進国の中で唯一「有給の産休制度」を取り入れていない。

次ページ州レベルでは少しずつ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT