「ごちそうさまでした」に込もる懺悔と感謝 「いただきます」も同時に考えてみよう

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食後の「ごちそうさまでした」を忘れていませんか?(写真 : IYO / PIXTA)
浄土真宗本願寺派僧侶でありながら、通訳や翻訳も手掛ける大來尚順氏による連載『訳せない日本語~日本人の言葉と心~』。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けする。

忘れがちな言葉

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食前の「いただきます」という言葉はよく口にしても、お腹が満腹になってついつい食後の「ごちそうさまでした」という言葉を忘れがちになってしまう人が多いのではないでしょうか。

実は私もそのひとりです。幼い頃からの習慣で必ずといってよいほど食前には「いただきます」を口にしていますが、急いでご飯を食べ終わったときなど、手を合わせるだけで、ついつい食後の「ごちそうさまでした」の言葉をおろそかにしてしまいます。

ここで思い出すのが、アメリカの神学大学院に留学していた時のことです。ある年のサンクスギビングデー(感謝祭)の際、私は友人のキリスト教牧師の家に招待されました。ちなみに、サンクスギビングデーとは、アメリカやカナダの祝日のひとつで、家族、親戚、友人が集まり、皆で七面鳥などの食事を取り、お祝いをする日です。現在では、日本のお正月のような意味合いを持ちますが、元々はアメリカ大陸に渡り移住したイギリス人が初めて収穫を迎え、その恩を神に感謝し、収穫に際し手助けしてくれたネイティブアメリカンにお礼として食事をふるまったことに由来するといわれています。

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