圧勝自民党は、本当に成熟した集団なのか たった12.5%強の勢力が、日本を動かす時代

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与党で決まったことがそのまま国会の決定になるため、与党内の議論が最重要なのであり、国会での議論は何ら意味を持たないのです。

たった12.5%強の勢力が、日本を動かす

国会で大物議員が居眠りをしている場面をよく見ますが、そういった方々からしてみれば、「もう議論はとっくに終わっている。野党の皆さん、ご苦労様」と思っているのかもしれません。

自民党では物事を決める際、決まるまでは激しく議論しますが、一度決まった以上は皆がそれに従うという慣習が根付いています。その点が、決定への不満から離党や分裂が相次いだ民主党との違いです。

しかし、それは政党として成熟しているというだけではなく、やはり「与党議員のうま味を知り尽くした集団」であるからだと言えます。 与党にいればポストや予算の配分にありつくことができ、また、事実上すべてを独占的に決めている与党から抜けてしまえば、何も決めることができなくなってしまう以上、政治家としての信念をかなぐり捨て、与党議員であり続ける道を選ぶのです。

さて、そういった事情もさておき、国会の過半数を占める与党の過半数、つまり25%強の勢力で日本を動かせる点にご注目下さい。いえ、投票率が50%程度であることを考えると、50%の過半数で政権与党、さらにその過半数で物事を決めることができます。つまり、たった12.5%強の勢力が日本を動かしてしまう不合理さに、もっと多くの方に目を向けていただきたいのです。

今回の参院選の投票率は52.61%で、過去3番目の低さでした。ネット選挙解禁による投票率の向上が期待されましたが、残念ながら投票率の向上には結び付きませんでした。この低い投票率をいかに高めていくのかは、大きな課題です。

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