久美子社長「大塚家具を誤解しないでほしい」 新経営ビジョンを公表、どう立て直すのか

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久美子社長は「低価格路線という誤解が厳しい状況に陥ってしまった原因」と説明する(撮影:今井康一)
父と娘の壮絶なお家騒動を経て、2015年3月に娘の大塚久美子氏が経営権を握った大塚家具。同社は2017年3月10日、新しい経営ビジョンを発表した。具体的には2019年末までに小型の専門店を中心に多店舗展開し、店舗数を50以上に増やす。また、提案サービスの強化や商品とサービスのオムニチャネル化(ネットと店舗の連携)、リユース品などの新事業といった4つの柱を打ち出している。
騒動から2年、大塚家具の経営はなかなか軌道に乗らず、前期は過去最悪の赤字に沈み、中期経営計画も取り下げた。厳しい状態から今後どのように復活を目指すのか。久美子社長に聞いた。

 

――新たな中期経営「ビジョン」を発表した理由は?

中期経営計画という形ではなく、あえて経営ビジョンという形を取りました。「価格戦略によって低価格路線へ走った」という誤解が皆さんに広がってしまい、それが当社の厳しい状況に陥ってしまった原因の1つと考えています。

そこで、誤解を解いていくために大塚家具が何を提供しようとしているのか、大塚家具がほかのお店と何が違うのか、本当の姿をお伝えしたいと思い、ビジョンの公表に至りました。

誤解を解くために、ビジョンを明らかにした

――低価格路線という誤解が広まったのはなぜですか。

プロキシファイト(委任状争奪戦)の過程で、どちらが大塚家具の経営権を握るのか、情報戦になったのはご存じの通りです。

私たちがやろうとしていることを伝える際に、情報の混乱が生じて、父子のわかりやすい対比が世の中に広まったこともあります。情報の独り歩きやコミュニケーション不足もあって、私たちの伝え方がわかりにくかったのかもしれません。

「高級品をやめて低価格品だけを扱うようになったのですか」などとお客さんから聞かれましたが、そんなことはありません。私たちは商品を価格で区切って、扱いを決めるということはしていません。7万3000アイテムを取り扱っていますが、幅広い価格帯で、競争力のある商品を品ぞろえしています。

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