久美子社長「大塚家具を誤解しないでほしい」 新経営ビジョンを公表、どう立て直すのか

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変わったことは会員制をやめたことです。これまでのコミュニケーションのやり方を抜本的に変えていかなければならないと考えています。今は店舗入り口での受付を無くし、店舗のオープン化を進めている最中です。

大塚家具は騒動で注目されましたが、2年たてばもう終わりでしょう。通常の状態に戻って、本業である「上質な暮らしを提供する」というミッションに沿ってやっていきたいと考えています。

――父の大塚勝久氏が設立した「匠大塚」は高価格路線、大塚家具は低価格路線、という見方についてはどう考えていますか。

匠大塚と大塚家具を対比するのは少し間違っていると思います。対比する見方自体が、いろいろな誤解につながってしまいました。匠大塚は大塚家具の創業者がやっているので、似たような業態かもしれません。これからはもっと、ニュートラルに私たちの取り組みをみてほしい。騒動から2年経っているので「等身大の大塚家具を見てください」ということが、いちばん伝えたいメッセージです。

個性を重視した小型店を出店

騒動から2年。通常の状態に戻り「上質な暮らしを提供する」ことに取り組んでいきたいと話す久美子社長(撮影:今井康一)

――小型店や専門店を積極的に出店する狙いは?

現在、地方では、大塚家具が取り扱うような中価格帯・高価格帯の商品を展開する家具店が、格安家具チェーンの台頭などでほとんど姿を消してしまいました。耐久消費財としての家具をしっかりと提供しているお店が全国的に少なくなってしまっています。

地方では提携百貨店などへ出店しますが、賃料などがかからない(百貨店側が負担するため)ことも重要なポイントです。これからは地方に「ミニ大塚家具」を作っていくようなイメージです。

都市部でも「眠り」や「収納」など、個性を重視した小型店を出していきます。大型店は無くしていくわけではなくて、小型専門店の集合体となるように店舗を再構成していきます。小型店が増えることで、大塚家具の顔が皆さんに見えるようになり、「低価格」という誤解も徐々に解けていくと思います。

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