世界で日本ビジネスの存在感が減退するワケ

「日本エリートはズレている」の著者に聞く

なぜ日本企業のプレゼンスは中東で落ちているのか( 写真:monzenmachi / PIXTA)
日本企業にグローバル経営の波が押し寄せて久しい。この20年来、日本ビジネスのプレゼンスは低下し、中国や韓国などが力を伸ばした。しかし、「日本企業への世界的評価は高い」「技術も営業も勤勉さも日本が一番」と思っている日本人は、今も多い。
実態はどうなのか。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ総領事の道上尚史氏が書いた『日本エリートはズレている』(角川新書)は、そんな日本人に警鐘を鳴らす。アジア通の外交官が、グローバルビジネスの最先端ドバイで見た、日本と世界の差は何か。

――著者は韓国、中国の日本大使館に長く勤務し、経済界にも知人が多い。世界では、中国、韓国企業のプレゼンスが増し、日本をしのいでいるとの話をよく聞く。

中国、韓国のビジネスには、それぞれ弱点も少なくない。だが、日本企業が「足で稼ぐ営業と緻密な準備は負けない」「人材が優秀。ネットワークも強い」と今も思っているなら、それは実態と違い、認識を改めたほうがいい。ドバイにいるとよく見える。英米独仏や中韓より、日本は弱い場面が多い。

「日本企業は一度も来たことがない」

――具体的には?

UAEの長官から「韓国も米国もフランスも、企業幹部はここ(長官室)によく来て話をし、ランチもするが、日本企業は一度も来ない。彼らは営業をしていない」と言われたことがある。日本の大学院で学んだドバイのビジネスマンは「日本はやり方が下手でもったいない」とこぼす。「日本人は勘違いしている。商品を持ってきて『売ってくれ』ではだめ。アラブ人は日本が思うほど、おカネをポンと出さない。日本ビジネスはもっと現地社会に根を下ろして、関係を築くべき」と言う。

――世界各国に進出する日本企業は多い。営業もしっかりやっているのではないのか。

日本の駐在員自らが、「われわれは東京の本社ばかり見て、昼夜、日本人とばかり食事している。現地での人脈づくりはできていない」と言う。現地では「一軒一軒店を回る地道な商売を日本は知らない」と見られている。営業しない、怠慢、準備不足。自己イメージに反するだろうが、日本企業は真剣に考えたほうがいい。これは出先の問題でなく、本社の意識の問題だ。

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