「男として順調な人生」ゆえの息苦しさもある 「ロスジェネ世代」が力を抜いて生きる方法

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はたから見れば、順風満帆すぎる人生を送っている相談者ですが、ゆえに会社でも家でも気の抜けない日々。これを、ぜいたくな悩みだ、と切り捨てることはできません(写真:bee / PIXTA)
今回の相談
こんにちは。40代の会社員(男性)です。私の悩みは、肩の力を抜いて、スローに生きたいという憧れはあるけれど、どうすればそれができるかわからないということです。
私は、いわゆるロスジェネ世代。団塊ジュニアの少し下の世代である私たちは、とにかく同世代に人数が多く、小さな頃から競争ばかりしてきました。その中で、私はとりあえず男としてあるべきレールの上を歩んできました。就職氷河期の中でもなんとか就職して、今は会社でもそれなりに責任のある仕事を任されています。20代で結婚し、専業主婦の妻と、子どもが2人います。
ただ、だからこそ気の休まる日がありません。会社では、上にバブル世代がたくさん詰まっていて、自分にはなかなか重要なポストがまわってきません。一方で、現場で責任ある仕事を担っているので、「穴を空けてはいけない」と強く感じる場面も多く、体調が少しぐらい悪くても仕事を休めない。とにかく、いつも気が張り詰めている状態です。いくら頑張って働いたところで、今の会社がいつ立ちゆかなくなるかわからない、という恐怖もあります。
加えて、家で気が休まるかというと、それも違います。休日には家事を手伝ったり、家族を買い物や外食に連れていったりなど、できることはやっているつもりですが、妻からは、「自分のことばかり」と言われています。確かに否定はできないのですが、仕事も家事も子育ても完璧にこなすことなど無理で、理想と現実のギャップにひそかに悩んでいます。
これまで仕事でも家庭でも精いっぱい頑張ってきましたが、体力がある今はよくても、いつまで続くかはわかりません。だから、仕事でも家庭でも、もう少し気を抜いて生きられるようになりたい。でも、気を抜く方法がわからないのです。先生、教えてください。 
40男(仮名)

男性のみなさん、まずは落ち着いてください

まずは落ち着いてください。

この連載の一覧はコチラ。※読者の皆様から田中先生へのお悩みを募集します。「男であることがしんどい!」「”男は○○であるべき”と言われているけれど、どうして?」というお悩み・疑問がある方はこちら

この連載を通じて、男性のみなさんに伝えたいことは、この言葉に集約されています。あなたが男性であれば、自分に言い聞かせてください。「よし落ち着こう」と。あなたが女性であれば、身近な男性に伝えてあげてください。「とりあえず落ち着こうよ」と。

経済状況の変化やグローバル化のさらなる進展によって、かつてよりもはるかに社会は複雑になりました。インフルエンサーやポスト・トゥルースといった新しい言葉が次々に目に飛び込んできます。焦って意味を調べなくても大丈夫です。

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