ドル上昇、2月米民間雇用者数が大幅増加 市場予想の「19万人」を大幅に上回る

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 3月8日、終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。2月の米民間雇用者数が大幅に増加し、米連邦準備理事会(FRB)が来週利上げするとの見方が一段と強まった。2016年11月撮影(2017年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。2月の米民間雇用者数が大幅に増加し、米連邦準備理事会(FRB)が来週利上げするとの見方が一段と強まった。

オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)などが発表した2月の全米民間部門雇用者数は29万8000人増で、市場予想の19万人増を大きく上回った。

ただ、主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は既に過去5週間で約2.5%上昇していたこともあり、上値は限られた。市場では10日に米労働省が発表する2月雇用統計を見極めたいとして慎重姿勢を維持する投資家が多い。ADPの雇用報告と労働省の雇用統計の相関性は低いとされている。

オアンダのチーフ通貨ストラテジスト、ディーン・ポプルウェル氏は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に「市場が先走り気味になっているのは間違いない」と述べた。

直近のドル指数は0.25%高の102.08。ドル/円<JPY=>は一時114.74円まで上昇したが、終盤は0.39%高の114.41円と伸び悩んだ。ユーロ/ドル<EUR>は0.16%安の1.0548ドル。

投資家は9日の欧州中央銀行(ECB)理事会に注目している。ユーロ圏の物価上昇圧力は強まっているものの、ドラギ総裁が理事会後の会見で現在の量的緩和政策の修正を表明するとの観測はほとんど出ていない。

オアンダのポプルウェル氏は「ドラギ氏が動ける余地は比較的乏しい。物価上昇率は望ましい水準にじりじり近づきつつあるが、タカ派的になり過ぎることはできない。だからユーロは基本的に狭いレンジで取引されている」と指摘した。

ドル/円 NY終値 114.32/114.38

始値 113.99

高値 114.74

安値 113.99

ユーロ/ドル NY終値 1.0539/1.0543

始値 1.0560

高値 1.0562

安値 1.0535

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