「高年収女子」がさっぱり貯蓄できないワケ 落とし穴は「何げない日常」に隠れていた!

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Rさんのように、収入が高く、家計に余裕があり、かつ忙しい人の場合、今までみてきたようなタクシー代に体のメンテナンス代、加えてスタバやコンビニでのちょこちょこ買いをしている人は少なくありません。では、家計を改善するためにはどうしたらよいのでしょうか?

先ほどお話ししたとおり、まずはレシートを活用して支出の分析をすることが大切です。まずは何にいくら使っているかを把握しましょう。1カ月やってみると、だいたい何にどれくらいのおカネを使っているのかがわかると思いますが、3カ月続けてみると、さらにおカネの使い方の傾向が把握できるようになります。

おカネの使い方が把握できたところで、次にやるのは「予算化」。食費は月に4万円、光熱費は月1万円、コンビニでのちょこちょこ代は月に1万円という具合に、すべての項目について予算化します。予算の範囲内で生活できれば、家計も黒字、無駄遣いを防ぐこともできます。タクシー利用を極力避け、そこに費やしていたおカネを貯蓄に回すことも重要です。

オススメは「先取り貯蓄」「強制貯蓄」というやり方

次に貯められない人が貯蓄する方法ですが、今まで貯蓄できなかった人が急に貯蓄できるようになることはありません。人間は意思が弱い生き物だからです。よって、貯蓄するためには、「先取り貯蓄」「強制貯蓄」の仕組みを活用するとよいでしょう。

それを可能にする仕組みには以下が挙げられます。

(1) 財形貯蓄制度
(2) 定期預金自動積み立て(銀行、ネット銀行)

勤務先に「財形貯蓄制度」がある場合には、財形貯蓄制度を活用すれば、お給料から天引きされるので便利です。

財形貯蓄制度には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つがあります。このうち、「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」には利子が非課税となる恩恵があります。

財形貯蓄制度がない場合には、銀行の「定期預金自動積み立て」を利用するとよいでしょう。給与が振り込まれる銀行口座で、定期預金に自動で積み立てする日を給与振込日の翌日に設定すれば、ほぼ給与天引きの状態となり、確実におカネを貯めることができます。とはいっても、大手都市銀行の定期預金利子率は0.01%なので、少しでも高い利子率で貯蓄したいところです。そのためには、ネット銀行がオススメです。積立定期預金はソニー銀行、楽天銀行、イオン銀行などがありますが、各銀行で預け入れ期間や利子率が異なります。また、住信SBIネット銀行は、定期自動入金サービスを行っていますので、こちらを利用するのも手です。

目標の貯蓄額ですが、Rさんのように収入が高い人の場合には、手取り収入の2割を目標にしたいところ。ちなみに、手取り収入の2割を5年間貯蓄できれば、自分の年収分が貯蓄できます。いくら収入が高くても、使い方に意識を向けないとまったくおカネは貯まりません。何におカネを使っているのか、支出を分析してみることで、自分が稼いだおカネを有効に使っているのか、冷静に分析してみることが大切です。おカネの使い方を考えると同時に今の働き方やライフスタイルについても見直してみるとよいでしょう。

頼藤 太希 Money&You 代表取締役、マネーコンサルタント

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よりふじ たいき / Taiki Yorifuji

(株)Money&You代表取締役。中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』や月400万PVの『Mocha(モカ)』を運営。主な著書に『1日1分読むだけで身につくお金大全100』(自由国民社)、『はじめてのFIRE』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)などがある。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。

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