大混乱の三越伊勢丹、大西氏後任は杉江専務

2代続く伊勢丹出身だが、改革後退の懸念も

 3月7日、三越伊勢丹ホールディングスは、大西洋社長(61)が3月末で退任すると発表した。同社は百貨店事業のウエートが高く、訪日外国人の「爆買い」終了や主力の衣料品の低迷などの影響を大きく受け、業績が低迷していた。写真は伊勢丹新宿店。2007年7月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 7日 ロイター] - 三越伊勢丹ホールディングス <3099.T>は7日、大西洋社長(61)が3月末で退任すると発表した。同社は百貨店事業のウエートが高く、訪日外国人の「爆買い」終了や主力の衣料品の低迷などの影響を大きく受け、業績が低迷していた。社長には、4月1日付で杉江俊彦取締役専務執行役員(56)が昇格する。

杉江専務は、1983年に伊勢丹に入社。食品統括部長などを経て、現在は経営戦略本部長を務めている。

石塚邦雄会長は、6月の株主総会で代表取締役会長執行役員を退任する。

同社は社長交代の理由について「経営体制の一新により、さらなる企業価値向上を図っていくため」と説明している。

三越伊勢丹HDの2017年3月期の連結営業利益は前年比27%減の240億円、最終利益は130億円と前年比半減の予想となっている。2019年3月期としていた連結営業利益計画500億円の達成時期についても、2021年3月期に先送りしている。同社は、同業他社に比べて百貨店業への依存度が高く、衣料品の低迷や訪日外国人の「爆買い」終了の影響を大きく受けていた。提携や買収によって飲食事業や旅行業など「コト消費」の分野に事業を拡大していたが、収益貢献は遅れていた。

こうした状況を受け、今年3月には三越千葉店(千葉市)と三越多摩センター店(東京都多摩市)を閉鎖。今後は、収益が見込める基幹店へ集中投資し、不振の地方店については、2019年3月期までに業態転換や売り場面積の縮小など構造改革を進める方針を示していた。昨年11月に大西社長は、構造改革が必要な店舗として、伊勢丹松戸店(千葉県松戸市)、伊勢丹府中店(東京都府中市)、松山三越(松山市)、広島三越(広島市)の4店舗を挙げていた。

アナリストからは、大西社長の退任によって「改革の方向性が大きく後退する可能性が否めない」と懸念する声が上がっている。

大西社長は4月1日付で取締役となり、6月の定時株主総会で取締役を退任する。

同氏は1979年に伊勢丹に入社。新宿の伊勢丹メンズ館の成功などを経て、2012年にHD社長に就任した。

(清水律子)

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