相鉄「深夜の切り替え作業」で何が変わる? 時間との闘い!高架化作業を密着取材

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相鉄線の高架化工事で、軌道の移設作業を行なう作業員たち(記者撮影)

「開かずの踏切」解消などを目的に、都市部を中心に進む鉄道の立体交差化。高架線やトンネルの建設などといった工事は長期に及ぶものの、線路の切り替え自体は終電から始発の間など、わずかな時間で行われることがほとんどだ。前日の帰宅時は地上を走っていた電車が、翌朝には高架線や地下を走っていることに驚いた経験のある人も少なくないのではないだろうか。

神奈川県の大手私鉄、相模鉄道は3月5日の始発電車から、本線の星川駅-天王町駅間(ともに横浜市保土ヶ谷区)約1.8キロメートルの下り線を高架に切り替えた。4日の終電後から5日の始発までという限られた時間の中で、駅ホームの一部撤去を伴う線路の移設を行ない、新しい高架線へと切り替えた一夜の工事。いったいどのような作業が行われたのか、深夜の現場を取材した。

約5時間での線路切り替え

5日午前0時過ぎの相鉄線・天王町駅。到着した電車から降り立つ人々を除けば、目立った人通りもない深夜の静けさに包まれたこの駅が、今回の工事の「大舞台」の一つだ。

限られた時間での工事のため、この日は横浜駅などで接続する他線の電車が遅れても終電は待たずに発車するという取り決めになっている。0時31分、下りの終電が定刻通りに到着するとほぼ同時に、駅の横に置かれた重機のエンジンがうなり出した。軌道だけでなく電気や信号関係も含め、これから5時過ぎに走る予定の試運転列車までの間に全ての作業を終えなくてはならない。その間約5時間。時間との闘いとなる工事が始まった。

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