アップル、iPhone好調も、株価上昇は短命

利益が上向くには、新商品が必要

7月23日、米アップルの4─6月期決算ではスマートフォン「iPhone」の販売が予想以上に好調となり、投資家に安心感をもたらしたが、これを受けた株価の上昇は長く続かない可能性がある。ニューヨークのアップルストアで4月撮影(2013年 ロイター/Mike Segar)

[サンフランシスコ 23日 ロイター] - 米アップルの4─6月期決算ではスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の販売が予想以上に好調となり、投資家に安心感をもたらしたが、これを受けた株価の上昇は長く続かない可能性がある。利益率の低下や、中国市場での販売減少が懸念されているためだ。

iPhoneの販売台数は3120万台で、アナリスト予想の2600万台を約20%上回った。

アップルが自社株買い戻し計画を加速させる方針を示したことも一因となり、同社株は米株市場通常取引終了後の時間外取引で5%上昇した。

しかし、香港と台湾を含めたグレーターチャイナの売上高は前期比43%、前年同期比14%、それぞれ減少し、スマートフォンの普及率がまだ低い地域で憂慮すべき結果となった。

成熟しつつある世界のスマートフォン市場での競争激化に加え、小型タブレット端末「iPad mini(アイパッドミニ)」や旧モデルのスマホなどアップルの製品ラインナップに低価格デバイスが増えたことから、4─6月期の利益率は前年同期の42%超から36.9%に低下した。

BGCのアナリスト、コリン・ギリス氏は、アップルは販売価格の低下や今後の製品に関する発売計画の不透明性などの問題に直面しており、23日の株価上昇はすぐに失速する可能性があると指摘。「(平均販売価格は)低下しており、利益率は圧迫されることになる。こうした状況が現実のようだ」と語った。

アップルの4─6月期の平均販売価格(ASP)は581ドルで、前年同期を約27ドル(4%)下回った。同社はASPの低下について、値下げされたiPhone4の比率が大幅に拡大した「製品ミックス」や為替要因を理由に挙げた。

しかし、調査会社ガートナーのアナリスト、キャロライナ・ミラネシ氏は「ASPだけの問題ではない。iPhone5で見られているのは部品コストの上昇だ。コストも増えている」と指摘する。

<中国販売の減少>

中国のスマートフォン市場では現在、アップルや韓国サムスン電子<005930.KS>などの主要プレーヤーと、中国の華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)<000063.SZ>など比較的新参者の間で競争が繰り広げられている。

特にアジアでアップルの市場シェアを着実に奪ってきたサムスン電子も、息切れの兆しを見せており、今月さえない決算見通しを発表している。

中国を除いても、アップルのアジア太平洋地域での売上高は前期比35%減少した。

クック最高経営責任者(CEO)は中国の売り上げ減少は景気が一因とし、中国について依然として強気な姿勢を示した。

iPadの販売も1460万台と予想を数百万台下回った。

こうしたあらゆる要因を踏まえると、決算を受けた株価の上昇はアップル株をめぐる懸念が後退した証拠と受け止めるべきではない、と一部のアナリストは指摘している。

ハドソン・スクエア・リサーチのアナリスト、ダニエル・アーンスト氏は「変化として、予想以上の結果を目にするのは良いことだ。(しかし)利益は前年と比べて依然減少している。利益が上向くには新製品の投入が必要だろう」と語った。

(Poornima Gupta記者、Edwin Chan記者;翻訳 佐藤久仁子;編集 田中志保)

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