「怒りを自ら作り出す人」の残念な思考回路

怒りを「大掃除する」効果的な方法

《その2 怒りタイプの怒り》

ふたつ目は、「怒り」がつくる怒りです。奇妙な言い方ですが、「すでにある怒りが、あらたな怒りをつくり出している」状態です。

たとえば、過去にイヤなことがあって、怒りが残っていたとします。すると、心は、持続する(執着する)性質を持っているので、その怒りで別のことに反応しようとします。

その刺激となるのが、「不快な過去の記憶」や「他人の欠点」や、「これは許せない」と思える世間の話題です。これらに反応して、新たな怒りをつくり出すのです。

これは、いわば「怒りの自家発電」。過去の怒りをエネルギーにして、新たな怒りを生んでいる状態です。

「怒りっぽい人」というのは、その一例です。理性では「怒ってはいけない」と思いつつ、心に残っている「怒り」でつい反応してしまうのです。

怒りがぶり返すごとに、正しい言葉で切って返す

<対策>

この怒りにも「心の理解」から入ります。「過去の怒りが残っている。でも今は関係ない」と、はっきり自覚するのです。

心にくすぶっている怒りは、今とはなんの関係もありません。心にとどまっている「感情の残りかす」みたいなものです。だから、

「この残りかすの怒りだけ、解消すればいいんだな」と考えましょう。

そのうえで楽しいこと、たとえばスポーツとか、食事とか、気の合う友だちと飲みに行くことなどに時間を使って、「怒りのお掃除」に努めます。

このタイプの怒りで大事なのは、後で「思い出さない」ことです。過去の怒りは、過去のもの。思い出すだけ、自分がソンです。そこで、

「過去の怒りを、今怒る理由にはしない。忘れていい怒りなのだ」

と、言葉にして(念じて)みましょう。なかなか消えない怒りもありますが、そうした怒りがぶり返すごとに、正しい言葉で切って返すのです。

《その3 妄想タイプの怒り》

もうひとつが、「妄想」が生み出す怒りです。妄想とは、現実に存在しない、頭の中にしかない思いのこと。この妄想が実に厄介、しかもバラエティに富んでいます。

たとえば、イヤな過去を思い出して、怒りを再発させる。これは、先ほどの「怒りタイプの怒り」ですが、最初の怒りを長引かせてしまうことに力を貸しているのが、「記憶」という名の妄想です。

また、人がよくやる良しあしの「判断」――つまり「自分は正しい。相手が間違っている」という思いや、他人と比較したり、優劣・勝ち負けにこだわったりという心理も、妄想にあたります。

さらには、怒らなくてもいい(怒ってもしようがない)ひとごと、たとえば世間をにぎわす事件や話題に、「まったく!」と1人で憤慨している状態も、妄想して怒っている状態です。

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