カーセンサー

カーセンサーが挑み続ける「中古車市場改革」

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その取り組みは、開始3カ月でカーセンサーが掲載する全販売店に通達され、車体番号を打ち込まなければ広告掲載されないフローを確立。さらに成約後には即掲載を落とすオペレーションを敷いた。こうすることで存在しないクルマや売却済みのクルマの情報が掲載され続けるという悪習慣を一掃していった。

そして10年には「カーセンサー認定」を導入。これは第三者機関であるAISが1台あたり300以上もの点検箇所をチェックし、その検査を経た中古車に「認定証」を付与して広告掲載するものだ。AISの検査基準はメーカー系中古車事業会社も採用しており、業界で最も厳しい検査員が担当する。AISが付ける評価点はS点~R点まで10段階。それまで優・良・可のような曖昧だった評価が明確化され、ある程度の取捨選択はネットで判断できるようになった。

「私たちは、『メディアとして正しく可視化された情報を伝える』という思想を持っていなくてはなりません。中古車はカスタマーに安心して選んでもらうことが何よりも大切です」(中村氏)

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「認定車」には、年式や走行距離などの基本情報のほか内外装の評価が加えられ、最終的に総合評価が付けられる

さまざまな優良中古車がネットで買える時代に

中古車を購入する際には「車両本体価格」のほか、税金や販売店の手数料などの「諸経費」がかかるが、以前は車両本体価格のみを掲示する商習慣が根強く、実際に店舗に行ってみたら、違う価格が提示されるケースも少なくなかった。

「本体価格が150万円で総額220万円というクルマもあれば、本体価格が180万円で総額200万円というクルマもある。ですが、カスタマーからすれば、情報のバリューは『最終的にいくらかかるか』にしかありません」(中村氏)

カーセンサーもメディアとして価格の「総額表示」に積極的に取り組んでいる。中村氏の入社した08年当時、総額表示されている中古車は20%程度だったが、こちらも販売店にオペレーションをかけた結果、現在では約70%の総額表示を実現。「実際かかる金額がわからない」というカスタマーからの不安の声も大幅に減った。

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