霊長類が危ない!何と6割が絶滅の危機に

自然破壊や狩猟、採鉱が原因

マダガスカルとその周辺のみに生息するキツネザルも絶滅の危機に瀕している(写真:Sterling Zumbrunn/Conservation International via The New York Times)

私たち人間の「仲間」である霊長類の動物たちが窮地に立たされている。

霊長類学者31人からなる研究チームが、世界で確認されているすべての霊長類の保護状態を調査したところ、生物学的にヒトに最も近い動物たちにとって芳しくない結果となった。

研究によると、霊長類の4分の3は個体数が減少しており、また約60%は絶滅の危機にさらされていることが明らかになった。農地開発による自然破壊や狩猟、採鉱などが原因で、ゴリラからテナガザルにいたるまで霊長類は過去数十年で最も深刻な状態にある。

科学誌『サイエンスアドバンス』に掲載された論文の共著者で、環境保護団体コンサベーションインターナショナルの上級科学研究員アンソニー・ライランズは、「現状が続けば、この先50年間で多くの霊長類が絶滅するだろう」と言う。

地球上の全霊長類の保護状態を把握するのは非常に困難だった。理由の1つは、科学者たちによって新たな種が次々と発見されているからだ。2000年以降、新たに85種の霊長類が発見され、確認されている霊長類は505種類になった。

多くの霊長類が新たに発見されている背景には、森林破壊によってかつてはアクセスが困難だった場所の個体群が見つけやすくなったことがある。

「科学者たちは(新たな種を)発見し、類型化しなければ、存在を知る前に絶滅してしまうと、慌てふためいている」と、ライランズは言う。

予想していたより状況は悪い

今回の研究結果は霊長類にとって悪いニュースばかりではない。

論文の共著者でセントルイス大学の人類学者であるキャサリン・マッキノンは、「なかには問題がない種もいる」と言う。「極めて特異な種ではなく、適応力が高い種だ」。

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