ダメな上司は部下の失敗を一緒に背負えない 防衛大で学んだ「連帯責任」の重み

拡大
縮小
厳しさも大事ですが、それだけでは人もついてきません(写真:christopherong / PIXTA)

「部下が思うように育ってくれない」

上司、管理職、リーダーの役割は自分の部下を育て、チームで成果を出すことです。ところが、部下が思ったような働きをしてくれないことは往々にあります。そんな悩めるリーダーに私が提唱したいのが「防衛大式マネジメント」です。

私は、幹部自衛官を養成する学校である「防衛大学校」(以下、防大)を卒業しています。全寮制の防大は、神奈川県横須賀市にある「小原台」と呼ばれる高台で1学年から4学年の総勢1700人が集団生活をしています。4学年から1学年と完全縦割り社会、軍隊に近い厳しい規律の下、将来のリーダーを育てるべく徹底的に鍛えられます。

拙著『防衛大で学んだ 無敵のチームマネジメント』にも詳しく解説していますが、部下を鍛えるためのポイントの1つは時間管理を徹底させることです。

時間はつくるもの

「時間はつくるもんだろっ」

防大在籍中、耳にタコができるほどこの言葉を聞きました。防大では「ミーティング」なるものが頻繁に行われます。

一般企業のように「何かを生み出す」ための集まりではありません。それは、上級生が1学年をまとめて指導するためのものです。1学年にとっては恐怖以外の何ものでもありませんでした。ミーティング参加にはルールがあります。

・時間には絶対に遅れない
・汚れ、シワ1つないきれいな作業服で参加する
・靴はピカピカに磨く
・筆記用具を持参する

 

この4項目のうち、1つでもできていなければ厳しく指導されます。平日の19時に開かれることが多かったのですが、開催1時間前にいきなりミーティング開催の連絡があったりします。

次ページ同部屋のN学生はいつも完璧
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT