「瑞風」に旧「トワイライト」の面影はあるのか シングルルームは「あの個室」にそっくり?

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報道陣に公開された「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」。先頭部は、181系ボンネット型特急車両など、往年の優等列車の流れを継承。戦前の流線形ブームもオマージュしているという(筆者撮影)

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は、2015年3月まで大阪-札幌間で運行されていた寝台特急「トワイライトエクスプレス」の歴史と伝統を受け継ぐクルーズ列車だ。車体カラーは、「トワイライトエクスプレス」を彷彿させる落ち着きあるダークグリーン。エンブレムも旧トワイライトエクスプレスのデザインを活かしている。

客室は全部で16室。そのうちの1室は、1両全体が1室となる最上級の「ザ・スイート」。13室が標準クラスとなる「ロイヤルツイン」で、うち1室は車イスで利用できるユニバーサル対応だ。そして、残る2室が「ロイヤルシングル」。シングルユースが基本となる個室は、「ななつ星in九州」や「TRAIN SUITE 四季島」にはない無二の存在だ。

「トワイライト」の伝統を受け継ぐ個室

ずばり言おう。ブルートレインなど寝台列車が好きな人なら、おすすめは「ロイヤルシングル」。この部屋こそ、伝説の列車「トワイライトエクスプレス」の伝統を最もよく受け継いだ個室である。

広さは7平方メートルと、ロイヤルツインの10平方メートルよりもやや小さい。折りたたみ式のテーブルは省略され、デスクもややコンパクトだ。

だが、そのレイアウトは旧トワイライトエクスプレスの個室「ロイヤル」に極めてよく似ている。壁面に沿って、枕木方向に設置されたベッド。日中はベッドの上に背もたれをセットして、ソファとして使う。室内には小ぶりなデスクとチェアがあり、その向こうにトイレを併設したシャワールームがある。こうしたレイアウトはロイヤルにそっくりだ。

旧「トワイライトエクスプレス」のロイヤル。1989年以来、リノベーションを行いつつ26年間使われてきた。大阪〜札幌間の運賃・料金は3万7540円。今から見ると格安だ(筆者撮影)

もちろん、快適さは段違いだ。以前のロイヤルの広さは約4平方メートル。瑞風のロイヤルシングルは、その2倍近い広さを備えている。酒とつまみくらいしか置けなかったテーブルは、手紙を書いたりノートパソコンを開いたりするだけのスペースがある。シャワールームも十分な広さ。シャワーに無粋なタイマーはなく、トイレは温水洗浄式だ。旧トワイライトのような「狭いスペースに押し込んだ」感は皆無である。

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