アメリカで流行る「Houseparty」とは何者か マーケターが押さえておくべきこと

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「たしかに、ブランドはZ世代(現在の10代)のユーザーに発見してもらえるだろう。ただし、18歳未満に宣伝してはいけないという点に関して、多くの問題に直面することになる」と、カブロブスキー氏は指摘する。

競合するプラットフォーム

ソーシャルプラットフォームには、互いの機能を盗んできた歴史がある。ただし、インスタグラムやフェイスブックのようなほかの人気ソーシャルプラットフォームは、基幹サービスにライブ配信を追加する形だったが、Housepartyにはライブ配信機能しかない。

「フェイスブックがすでにメッセンジャーアプリでグループ動画チャットを展開している。つまるところ、HousePartyが強い独自性を売りにするのは難しい」と、ソーシャルメディアエージェンシーのソーシャルチェーン米国法人でクリエイティブディレクターを務めるカサル・ベラガン氏は説明する。

とはいえ、HousePartyが成功したのは、主要プラットフォームがライブ動画機能を追加したあとのことだ。HousePartyアプリを開くと、目にするのは自分自身とほかの仲間がオンラインになっていること。ここでやることはひとつしかない。このシンプルさをライバルが真似するのは難しいだろう(Meerkatはツイッターに模倣された)。ユーザーの気を散らせるものは何もなく、ユーザーはみな話す、というモチベーションだけしかないからだ。

だが一方で、広告ユニットを必要とする場合、シンプルさを維持するのは、より困難になる。オーディエンスが広告を目にできるほど長く滞在するかどうかで、将来が決まるだろう。

「フェイスブックが得意でなかったこと、(閉鎖的な環境の維持)にワッツアップが注力した。ワッツアップが得意でなかったこと(動画通話)にスナップチャットが注力した。ちょうど同じように、スナップチャットが得意でない部分(既存のサービスの上に成り立つネットワークプラットフォーム)をHousepartyは切り崩そうとしている。既存の勢力を切り崩して成功したものが、また新たな勢力に切り崩されるという繰り返しだ」と、英クリエイティブエージェンシーのデュークで最高戦略責任者を務めるスティーブ・ストークス氏は語った。

Grace Caffyn(原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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