成果それとも時間?「人事評価」が変わる日

必要なのは「評価とスキル」の2つの管理

ホワイトカラーエグゼンプションとは、労働法上の規制を緩和・適用免除される労働者を対象に、働いた時間に関係なく、成果に対して賃金を支払うという仕組みのこと。働いた時間ではなく「成果」によって報酬が決まる制度で、そこには長時間残業や休日出勤という概念もありません。

ちなみに裁量労働制はあくまでも「みなし労働時間」制であり、時間管理を除外するものではありません。当然ながら対象には前提条件が必要です。世界的に導入済みの国では報酬(例:年収1000万以上)や職務(例:管理職以上)など条件つきで、適応対象が定められています。今回はこのホワイトカラーエグゼンプションについて、みなさんと考えていきたいと思います。

「自己責任型のワークスタイル」は増えるか

すでにホワイトカラーエグゼンプションが導入されている米国では、働き方がエグゼンプト(時間を除外)とノンエグゼンプトに分けられています。

エグゼンプトで働く人は、残業手当が付きません。ノンエグゼンプトで働く人は1週間に40時間を超える労働をすると、残業手当として時間当たり50%増しの対価が得られます。ただし、残業や休日出勤はまれです。

一方、エグゼンプトで働く人は年収は高いが、残業や休日出勤は当たり前のハードワーク。自宅や外出先でも仕事をするので、日本のホワイトカラーの数倍は働くといわれています。こうした「時間に縛られない」働き方が欧米には存在します。もし日本でも同じような働き方を導入するなら、どのような基準でエグゼンプトな働き方の要件を定めるべきでしょうか?

日本版ホワイトカラーエグゼンプションは長きにわたり議論されて、現在に至っています。当方は「自己責任型のワークスタイル」などと呼んでいますが、取材すると、導入に対して肯定的な意見が多いことに驚きます。

会社の経営陣や人事部からすれば早く導入したい。グローバルな競争に勝つためにはワークスタイルを海外企業と合わせるべきという声が聞かれます。また、時間・場所にとらわれずマイペースに仕事ができる、あるいは成果を早期に達成すれば自由時間が増えるからと、導入に賛成する管理職や専門職の声を多数聞きました(もちろん、管理職だけ長時間労働を強いられるのは不公平であるなど反対意見もあります)。

ところが、実施となると、これがなかなか進みません。2005年あたりから労働市場の規制緩和として国会への提出がされそうで、何回も先送りされてきた経緯があります。直近でも、第2次安倍内閣で対象を年収1000万円超ということで合意しながら、その後、対象者の規定などで反対意見が出て先送りが続いてきました。

ただ、長時間労働に関する一定の抑制を進めている中で、企業としての生産性を維持するなら、ホワイトカラーエグゼンプションも行わなくては不可能との声が会社サイドからよく聞かれるようになりました。

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