ガッツリ貯金できない人は保険に入りすぎだ

年収の何%を生命保険に払っていますか?

貯蓄と保障について合理的に考えて実行すれば、おカネの貯まる家計を作ることができる(写真:sasaki106 / PIXTA)

先日、30歳のご夫婦のご相談をお受けしました。子どもが生まれたタイミングで生命保険を勧められて加入したそうです。死亡保障の保険の年間保険料が夫婦合わせて約28万円でした。世帯収入は520万円です。世帯収入に占める保険金額は7.4%。のちほどご説明しますが、この7.4%という数字は日本の世帯の平均だとお考えください。

一方、世帯収入を元に、筆者がご夫婦に老後の人生の暮らし方などもお聞きして「人生設計の基本公式」で、ご夫婦の必要貯蓄率を計算すると、約18%、年間108万円の貯蓄が必要でした。

人生の基本公式とは、「老後に現役時代の何%くらいの生活水準で暮らすか」を自分で決め、今持っている資産や将来もらえる年金などの額を入れると、一発で個々人に応じた「毎年必要な貯金率や貯蓄額」がわかるという優れものの公式です(「人生設計の基本公式」についての詳しい解説はこちらを参考にしてください。ここでは読みとばしていただいて構いません)。

「子供が生まれたので、もしもの時には、たくさん死亡保障が必要になる」という考え方は理解できます。しかし、一方で、年間28万円も保険料を払っていては、このままでは、貯蓄率を達成できそうにはありません。

相談のうえ、保険をネット生保の掛け捨てのものに変更しました。夫婦共に正社員として働いていますので、保険金額はそれぞれが1500万円ずつとしました。すると、保険料は年間約3万6000円になりました。浮いた保険料を全額貯蓄に回し、必要貯蓄率が達成できるようになりました。

なぜ私的な保険に高いおカネを払ってしまうのか

家計では、必要な貯蓄ができることが重要ですが、貯蓄ができない家計の原因を探ると、このケースのように、私的な保険に入りすぎている場合が少なくありません。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。

原因は2つあります。1つには、保険に対する知識が不足していて過大な保障内容の保険に入っていること、もう1つには、保険料が高すぎる保険に入っていることです。

生命保険文化センターの「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」による「不足している保険知識は?」という問いに対する答えを見てみましょう。

1. どういった保障が必要なのか(39.5%)
2. 生命保険や個人年金保険の仕組み(35.1%)
3. 保障がいつまで必要なのか(26.7%)
4. 加入金額がどのくらい必要なのか(26.5%)

そもそも、基本的な保険の知識がないことに多くの方が不安をもっていることがわかります(複数回答可)。そして、知識不足を解消するのではなくて、不安なまま、その不安を打ち消すために保険に入るという悪循環にはまってしまうことがしばしばあります。

保険をセールスする側は、この事情をよくわかっていて、「もし、あなたが亡くなったら、残された奥様や子どもさんの生活はどうなりますか」などという言葉で顧客の不安を喚起します。顧客の側では、それは大変だと不安を感じ、勧められたまま、高額に設定された「必要保障額」の生命保険に加入してしまいます。

次ページ勧められるままに保険に加入すると…
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