総選挙前後の激動にらみ橋本大二郎氏が新党結成宣言

総選挙前後の激動にらみ橋本大二郎氏が新党結成宣言

塩田潮

 次期総選挙出馬を表明している橋本大二郎・前高知県知事が7月1日、選挙前の新党結成を打ち出した。
 2月に会って話を聞いたときは「資金とか課題が多いので、かつての日本新党方式ではなく、新党さきがけ的なイメージで」と語り、選挙後の同志糾合による新グループという姿勢だった。方針変更は、資金のメドもさることながら、選挙前の政界激動の予感を持ったからだろう。

 橋本新党だけでなく、郵政離党組無所属の平沼赳夫元経産相にも、自民、民主両党が盛んに秋波を送る。北川正恭・前三重県知事らが立ち上げた「せんたく」にも与野党の政治家が集まる。いずれも総選挙前後の激動をにらんだ動きだ。

 選挙で自公与党と民主党のどちらも過半数に届かない場合、おそらく共産党を除く各党の争奪戦が起こる。そうなれば新党や新勢力はキャスティングボートを握る。15年前の細川護煕元首相のようにいきなり首相到達もと、まあ、こんな計算や思惑が働くのだろう。自民、民主両党とも、内部にねじれを抱えるごった煮政党で矛盾だらけだ。ねじれ解消の起爆剤にという心意気は評価できる。だが、細川政権以来、15年の模索と実験を経て、やっと政権交代可能な二大政党政治に近づいたいま、多くの国民の期待は政権選択という二大政党政治の実験ではないか。政権選択となると、幅広い各界各層の支持を結集できる包括政党でなければ主役にはなり得ない。ごった煮はマイナス材料ではない。

 民意はいま政治に遠心力よりも求心力を求めていると見る。気になるのは橋本氏の労組排除、平沼氏の郵政民営化反対への執着だ。キャスティングボートを武器に、一種の純化路線によるこだわりで政治をリードすれば、15年前へ巻き戻しとなる危険性がある。
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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