独身女性が48歳でAV女優デビューした理由

女性ならではの「形に残る仕事」がしたかった

「マリッジブルーになっちゃって。その彼、相当押しが強くて、気づいたらいつの間にか結婚話が勝手に進んでいった感じで。しかもこの時期にちょうどうちの母が倒れたんです。あちらのご両親も気遣って“お母さんが大変だったらうちに越してください”とも言ってくれたけど、そんなに簡単にいかないわけですよ! お金とかそういう問題じゃなくて!」

一息ついて綺美香はゆっくりとこう述べた。

「たとえ母のことがなくてもその彼とは別れていたと思う。そのときの自分の気持ちがまだ結婚に向いてなかったと思うし、親のことは単なるきっかけ。遅かれ早かれマリッジブルーにはなっていただろうし。親のせいには絶対にしたくないんです」

その後、勤めていた会社を辞めた綺美香は家の近くの老人ホームでボランティアを始めた。家事に関しては、ここ10年ほどは炊事、洗濯などほぼすべてを受け持っている。

「休みないですよ~!」

そう語る彼女に一日のタイムスケジュールを聞いた。

多忙な生活に弱音を吐いたこともある

「朝6時半に起床してお洗濯して、朝ごはん作って父を仕事に送り出します。その後、母親を病院に連れて行ったり、家事をしたり。大きな病院って待ち時間も長いから半日がかり。私がボランティアに行くのはお昼過ぎから19時くらいまで。そのあとは帰ってお夕飯の支度をして、夜はアイロンがけしたり、自分の作業をしたり……。なので5時間以上寝られる日はないんです。撮影の前の日は次の日のご飯を作り置きするので徹夜です。だから私、どこでも寝られるの~、あはは!」

多忙な生活に弱音を吐いたこともある。

「私、不器用なのでイッパイイッパイになることもあります。昔“ボランティアもやめて家のことだけをちゃんとやりたいーっ!”って父に愚痴ったんです。そしたら止められました。父は“大変かもしれないけど外に出たほうがいい”って。最近ニュースでも聞くじゃないですか、介護ウツになったり、それで親を殺しちゃうとか。一生懸命な人ほどそうなるし、家の外に逃げ道を作っておいたほうがいいって。父もワックスがけやサッシや水回りの掃除をしてくれますし、最近、サラダくらいは作れるようになったかな~! いかんせん母が他人様を入れるのを嫌がるから仕方ないですよね」

思わず私が「実は苦労しているんですね」と言うと、

「お金の苦労はしていないけど私生活はそこそこ……苦労してますよ!」

おどけたように綺美香が返した。

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